潮位とは?

潮見表で表示される「潮位(ちょうい)」とは、海面の高さを基準の位置から測ったものです。
「満潮 10:04 潮位200cm」とあれば、その時間に基準の潮の高さ(基準面)よりも約2m海面が上がっていることを意味します。逆に「干潮 16:08 潮位80cm」なら、基準より80cm高い位置がその時間の海面ということです。
潮位を海底からの高さではなく、基準面からの高さということを覚えておいてください。
満潮と干潮の潮位差が大きいと潮がよく動き、小さいと潮があまり動かない傾向になります。満潮と干潮は日に2回ずつのことが多いですが、同じ日の満潮でも潮位が大きく異なる点にも注意しましょう。
全国の各月の潮汐が見られる【釣りぽ潮見表】
潮位の基準(潮位0cmとは?)
潮位の「0cm」は、各港や観測地点ごとに定められた基準面です。
これは「平均的に最も潮が引いたときの高さ(略最低潮位)」を基準にしています。潮位0cmのときは「基準の高さと同じ海面」になっています。
潮位(潮差)は海域によって大きく異なります。代表的な地点の潮差は下記のようになっています。
地域・港 | 潮差の大きさ | 基準面の特徴 |
---|---|---|
東京湾(晴海検潮所) | 大(約2m前後) | 最低低潮位を基準に設定。平均海面よりかなり低い。 |
大阪湾(大阪) | 中〜大(1.5〜2m程度) | 平均海面との差は大きめ。潮汐表の変化が大きい。 |
名古屋港 | 中(1.5m前後) | 潮差は中程度。干満差の影響を受けやすい。 |
広島港(瀬戸内海) | 中(2〜3m程度) | 瀬戸内特有の複雑な潮流で、基準面は地域差がある。 |
博多港(九州北部) | 大(約2m前後) | 有明海と並び潮差が大きい地域。基準面は深めに設定。 |
新潟港(日本海側) | 小(0.3〜0.5m程度) | 潮差が小さいため、基準面と平均海面の差はわずか。 |
釧路港(北海道太平洋側) | 大(1.5〜2m程度) | 太平洋側で潮差が大きく、基準面は低め。 |
那覇港(沖縄) | 小(0.5〜1m程度) | 潮差が小さいため、基準面は比較的平均海面に近い。 |
※ 表は参考情報です。各港の正確な潮位基準(数値)を掲載する場合は、国土交通省(海上保安庁や地方の検潮所)や気象庁の公式データをご確認ください。
マイナス潮位について
潮の干満や気象条件によって、海面が基準より下がることがあります。これを「マイナス潮位」と呼びます。「潮位 -20cm」であれば、基準面より20cm低い位置に海面があることを示しています。
マイナス潮位は干潮時に多く、特に大潮や気圧の変化で起こりやすいです。潮干狩りでは浜が広がりやすいですが、船の乗り入れや浅場での釣りには注意が必要です。
潮位のイメージ
- 満潮 → 海面が最も高い
- 干潮 → 海面が最も低い
- 0cm → 基準
- マイナス潮位 → 基準よりさらに低い

釣りで潮位をどう活かす?
潮位は「魚の動き」と「釣り場の状況」に直結します。
- 水深の変化
→ 潮位が下がると浅場が露出し、上がると深場に魚が入りやすくなります。 - 釣り座の選び方
→ 干潮時は足場が広がり釣りやすいですが、満潮に近づくと水没する場所もあるため注意が必要です。 - 狙える魚種の変化
→ 満潮前後は回遊魚や小魚が岸近くに寄りやすく、干潮前後は根魚やヒラメなどが浅場で狙いやすいです。 - 安全対策
→ 特に磯場やテトラ帯では、満潮で逃げ道がなくなる危険があります。潮位をチェックしてから釣行すると安心です。
潮位についてのまとめ
- 潮位は「海面の高さ」を基準から測った数値
- 0cm → 基準面、マイナス潮位 → 基準より低い海面
- 釣りでは「魚の動き」「釣り場の状況」「安全対策」に直結
潮位を理解すると釣果アップと安全確保の両方につながります。