ルアータックルで狙うイシダイ釣り【スーパーライトイシダイ(SLI)】

【釣りぽ編集部】の制作記事。基本的な釣り方や釣り場情報、イベント・キャンペーン情報を中心に紹介。

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磯釣りの人気ターゲット・イシダイ(イシガキダイ)。本来は専用のごっついイシダイタックルで狙う魚だが、釣りぽ編集部スタッフが手持ちのルアータックルで狙えないかと試行錯誤した結果、行き着いたのがスーパーライトイシダイ、略してSLI。釣り場は選びますが意外と手軽に楽しめます!

※本コーナーでの「スーパーライト」とは、本格的なイシダイタックルとの比較によるもの。「スーパーライト」には超軽量、超手軽という意味合いも含みます。

スーパーライトイシダイ
タイラバタックルでイシダイ釣り
足場のいい波止などではタイラバロッドでも釣ることができる

イシダイ(イシガキダイ)の生態

まずはターゲットとなるイシダイ、イシガキダイの2魚種について。中四国エリアでは山口県から鳥取県にかけての日本海側、徳島県南部から高知県西部にかけての太平洋沿岸、愛媛県の佐田岬から南側に広がる宇和海沿岸など、年間を通じて比較的水温の高い地域に多く生息している。同エリアでは年間を通して釣ることはできるものの、適水温はイシダイで18~24℃といわれており、より南方系のイシガキダイはそれよりも高くなる。そのため水温が低くて安定しない冬から早春にかけての時期は釣るのが難しくなる。

ベストシーズンは春から初夏の乗っ込みシーズンと水温が下がりはじめる秋~初冬にかけての2回で、これは前述の適水温とも関係している。水温が低い時期は深場、乗っ込み期は水深が浅く潮通しのいい沖磯狙いがセオリーとされる。

イシダイ

スズキ目イシダイ科に属する魚。北海道以南の日本各地、朝鮮半島南部、台湾などに生息しており、とくに西日本沿岸域に多い。体型は左右から押しつぶされたような円盤型で、アゴがわずかに前方に突き出ている。口は上下の歯が融合し、頑丈なクチバシのような形状になっている。体色は白地に7本の太い横縞が入るが、成長につれて縞が不鮮明になる。とくに老成したオスは全身が灰黒色となり、同時に口の周辺が黒くなることからクチグロ、ギンワサなどと呼ばれる。一方、メスは老成しても縞が残る。成魚は全長50cm程度だが、大きくなると70cm・7kgを超える個体もいる。

イシガキダイ

スズキ目イシダイ科に属する魚で、北西太平洋の熱帯、亜熱帯域に生息。暖流の影響が強い海域に多く、イシダイよりも南方系の分布を示す。同属のイシダイと同様に食味に優れ、釣りのターゲットとして高い人気を誇る。成魚は50cm程度だが、90cmを超える老成魚も捕獲されている。全身が灰白色の地に大小の黒褐色斑紋で覆われた独特の模様が、石垣を思わせることが名前の由来とされる。この模様は成長につれて細かくなり、とくに老成したオスは斑紋が消えて全身が灰褐色になり、口の周囲が白っぽくなることからクチジロと呼ばれる。

タックルについて

本格的なイシダイタックルについて

岩礁帯に生息するイシダイを狙うには、やはり専用のロッド、リールがベスト。底物のメインフィールドといえば磯で、その形状によるものの長いロッドのメリットは多い。イシダイ竿では5m前後が一般的で、小さなアタリや潮の変化を察知できる感度のいい穂先と、強烈な引きを受け止めるバットパワーを備えている。リールに関しても正確なタナ取りができるカウンターを採用したものがおすすめ。太いナイロンラインを100m以上収めることができ、スピーディーな巻き上げが可能な専用モデルが理想的だ。

仕掛けは釣り方によって変わるが、底を釣る場合は仕掛け図のようになる。磯周りは底の形状が複雑な場所が多く、瀬ズレワイヤーを使用するのが一般的。また、岩場での根ズレで切れたり、イシダイの丈夫な歯で噛み切られないようにワイヤーのハリスを使用する。ハリスはコークサルカンや三又スクリューサルカンを用いてセットすることも特徴的で、2~3本の仕掛け(ワイヤーハリス&ハリ)を用いて次に使うエサをセットしておけば手返しよく釣ることができる。ワイヤーのハリスを現場で結束するのは時間がかかり現実的ではないため、あらかじめ複数の仕掛けを準備しておくのが一般的。また、サルカンに接続されているのはハリスのヨレを防ぐ必要があるからだ。

イシダイ仕掛け
本格タックルは磯から本命を狙うのに理想的な性能を備えている

SLI=スーパーライトイシダイで挑む

SLIに適した釣り場

SLIで重要なのは釣り場。本格的なイシダイタックルと比べて竿が短いため、ポイントは足元から落ち込んでいる場所となる。最適なのは防波堤(護岸)。磯も釣り場を選べばSLIで楽しむことができる。

編集部のSLIタックルセレクト

前述したように専用タックルを持っていない編集部スタッフは、他のタックルで代用するしかない。以前、カセでイシダイを釣り上げたときに使用したのはタイラバなど船用のタックルはイシダイ狙いにおいては非常にライトなもの。また、カブセ釣りでイシダイを狙う方のタックルもかなりライトなので、釣り場の状況次第では、手持ちのルアータックルでも勝負できるのではないかと考えた。

そこで準備したのは、ビッグベイトにも対応したルアータックル、タイラバタックル、シーバスタックルなど。カセや波止で直下を釣るのであれば、食い込みのいい磯竿やタイラバロッドなどのライトなタックルが活躍する可能性は高くなるはずだ。とくにライトタックルで狙う場合は、ロッドやラインなど個々の性能を十分に発揮できるようにトータルのバランスに気を配っている。

ルアータックルに関しては、メインリーダーはPE2~3号、リーダーはフロロカーボンの50~60lbをチョイス。竿が短いため瀬ズレワイヤーはセットせず、ゴム天秤を通してコークサルカンなどを結び、市販のイシダイワイヤー仕掛け(ハリは13~17号)をメインで使用している。

編集部のタックル一例

シーバス用のタックルも活躍

これがタイラバタックルでキャッチしたイシダイ!

おすすめのイシダイ仕掛け

今回使用した仕掛けが、がまかつ『本石ワイヤー仕掛』レギュラータイプの12〜15号など。脅威の刺さりを実現する「ナノ・スムースコート」が施されたイシダイバリ『本石』を採用した仕掛けで、コンパクトなフォルムで食い込みがいいのが特徴。根掛かりの多い場所ではがまかつ『石鯛瀬ズレ遊動テンビン仕掛』をリーダーの先に結び、スクリューサルカンに『本石ワイヤー仕掛』をセット。おもりをセットするテンビン、ハリスをセットするスクリューサルカンなど、必要な小物(仕掛け)が揃っており、リーダー(もしくは道糸)に結ぶだけで使えるので初心者にもおすすめ。

タイラバタックルで使用したのはリーダーの先に2〜5号のオモリを介し、ハリスの先にタイラバ用のフック『糸付サーベルポイント フッキングマスター(3本鈎)』などを結んだシンプルなもの。これにはエサを盗るのがうまいイシガキダイを刺さりのいい小型の3本バリで確実にフッキングに持ち込む狙いがある。

特に根掛かりの多いポイントでは仕掛けや釣り方での対策が必要になる場合もあるが、基本的にはシンプルな仕掛けで楽しめる。小〜中型狙いなら船五目釣り用の胴突き仕掛けなどもおすすめだが、エサの種類や刺し方には工夫が必要。

イシダイ釣り エサは何を使う?

イシダイ釣りのエサには、ウニやサザエ、ときにはイセエビやアワビなどが使用されることもあり、高級食材ばかりなのでエサ代がかかるというイメージがあった。ただ、以前、釣行した時のアタリエサはザリガニとマルキユーの『くわせ赤貝』で、アサリやボイルしたムール貝などで釣果を手にしている釣り人もいるように、必ずしも高額なエサが必要というわけではない。いろんなエサを試してみるのもこの釣りのおもしろいところでもある。

春は赤貝や瀬戸貝などの柔らかいエサ、秋はウニなどの硬いエサをメインに使用するのがセオリーといわれている。ただし、釣行する海域の海水温やエサ盗りの状況によってはエサを使い分けたり、貝を使うなら殻を使ったりエサを輪ゴムやエサ巻き糸で補強して盗られにくくするなどの対策が必要。

サシエに準備しているのは、マルキユー『くわせ赤貝』、瀬戸貝、ガンガゼなど。胴突き仕掛けなども試すことからマルキユー『くわせ丸エビ』、『くわせ生あさり』なども準備している。マキエにはマルキユー『デカバン』、『イシダイ用ウニだんご』をメインに、小さめのイガイやガンガゼを使うこともある。

マキエ、サシエに関しては、1~2種のサシエで年間を通していたり、マキエをほとんどしない方もいるなど釣り人によって色々でもある。

釣具店で入手できるマルキユー『デカバン』。赤貝、エビ、ウニ配合のイシダイ用マキエを使用している

胴突き仕掛けでイシガキダイを狙うケースに備えて、マルキユー『くわせ丸エビ』も持参することがある。

入手しやすく持ち運びに便利な『くわせ赤貝』はSLIでも実績あり。

『くわせ赤貝』の刺し方の一例。

シーバスタックルで挑んだ同僚が釣り上げた50㎝オーバー。さらなる良型を求めて今シーズンも釣行します!

イシガキダイは数釣りも有望。イシダイ同様に引きが強く、パワフルなファイトが楽しめる。

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