今回はタイラバのネクタイ、スカート交換について、各社の製品を使ってきたその感想等について紹介します。
各社製品の比較とその特徴(メリット、デメリット)について紹介しています。
まず、最近のタイラバには、ネクタイやスカートの交換について大きく2種類があります。
ひとつがプラスチックパーツや金属製のサルカンにネクタイとスカートをシリコンチューブでつけているもの。
もうひとつが、ストッパー形式で、それをずらしてネクタイやスカートを挟み込むことによりネクタイやスカートの損傷時の交換やカラー変更を容易にするゴム製のもの。
どちらが良いかというとそれぞれにメリットとデメリットがあります。それについて下記で紹介します。
【ネクタイやスカートをプラスチックパーツや金属製のサルカンに付ける製品】
『セブンスライド』(ネクタイやスカートをプラスティックパーツに付ける製品)のプラスティックパーツです。これは実際にネクタイやスカートをシリコンチューブでパーツに結節したものです。
〇メリット
①まとめての作り置きに場所を取らないこと(フックと別に格納できるため)
これはストッパー式のものがフックと一緒に格納することが多いのに対して、ネクタイやスカートをパーツに付けてまとめて保存することにより、タックルボックスのスペースの節約が可能です。
②製品によっては、作り置きのパーツを匂いが付く粉や液体に浸けたままの保存が可能ということです。
●デメリット
①まとめて作り置きができるが、シリコンチューブが経年劣化し、噛みつき系のバイトを受けるとネクタイやスカートが外れてフックに絡まり、釣れなくなること
これは北海道や九州のタイラバでよくあったことです。
その時はセブンスライドのパーツを使っていました。
このセブンスライドのパーツは、シリコンチューブでネクタイやスカートをまとめて挟んでいたため、噛みつき系のバイトをする魚(アイナメ等)に加え、真鯛(チャリコサイズから5キロオーバーの大鯛までで経験)の食い損じなどにスカートやネクタイをまとめて引っ張られることにより、シリコンチューブがずれて親針にからまって釣れなくなることが多々ありました。
これは、ネクタイの先端を孫針の位置までの長さとし、スカートの先端を親針の位置までの長さとして整えることである程度は回避できますが、それでも完全には防げません。
そのため、現在プラスチックパーツの代表でもあるセブンスライドのパーツは使っていません。(セブン製品は説明書きにもあるように、スカートとネクタイをまとめてシリコンチューブでプラスチックパーツと挟むため、魚のバイトでまとめてスカートやネクタイを引っ張られる確率が高いです。)
代わりにその部分をストッパー式のパーツにしていますが、全く遜色なく使えます。
なお、シマノ社の製品は、ネクタイを別に引っ掛ける場所があるためか、アイナメのミスバイトでシリコンチューブが外れたことはありません。
②プラスチックパーツや金属製のサルカンに付けるものは、ネクタイやスカートの交換の際に、一旦ラインを切ってまた結び直さねばならないことです。
実際、釣っているとネクタイやスカートの損傷はフグなどにやられて頻繁に発生することがありますが、その際、いちいちパーツを別のものに交換して結びなおすという手間により、時合を逃しそうになったことも多々あります。
逆に、ストッパー式の場合は、ストッパーをずらすことにより、素早くネクタイやスカートの交換ができます。
③プラスチックパーツや金属製のサルカンは、ストッパー式の製品に比べ、やや高いという点が挙げられます。(しかし、耐用期間はストッパー式よりは長い)
また、仕掛けの手前マツリもストッパー式に比べて発生しやすいです。
このタイプの製品で釣った魚です。
6kg近い大型真鯛
こちらはチャリコサイズ
【ネクタイやスカートをストッパー形式で固定する製品】
ネクタイやスカートをストッパー形式で固定する製品例です。
左:ジャッカル製品『ビンビン玉バックファイヤーキャップ』
右:オーナーばり製品『チェンジストッパー 』
それぞれの使用例です。
左:『ビンビン玉バックファイヤーキャップ』
右:『チェンジストッパー』
※丸で囲んだところがこれらのパーツになります。
◯『チェンジストッパー』
『チェンジストッパー』は、ネクタイやスカートを浮き止めゴムと同様にゴムで固定するものになります。ジャッカル製品よりも固定力が強い分、アシストラインに通したら再利用はできません。
◯『バックファイヤーキャップ』
バックファイヤーキャップは、オーナー社の製品と異なり再利用可能です。アシストフックの付け根のコブのところでネクタイやスカートを挟み込み、固定するものになります。
〇メリット
①メーカーが謳われているように、損傷したネクタイやスカートの交換が容易
なお、フックの損傷した際の交換についてどうするのかと思われる方がいるかと思います。長年タイラバをやってきたなかで、フックの交換は、根掛かりしたりフグに切断されたり、魚を釣った際に掛かりどころが悪くて損傷したなどで発生しますが、フックの損傷確率は、ネクタイやスカートの損傷に比べて圧倒的に頻度が低く、発生確率が低いです。
②噛みつき系のバイトやミスバイトで、スカートやネクタイを引っ張られてもずれにくく、ずれても修正が容易
これは上記でも述べましたが、そのまますぐに釣りを続行できることと、仕掛けが壊れないことにより、そのままタイラバを追ってきた真鯛をキャッチする確率が高くなります。
③値段がプラスチックパーツや金属製の製品に比べ、比較的安いこと(耐用期間はプラスチックパーツや金属製のものに比べて短い、かつ壊れやすい)
④パーツのカラーが複数あり、状況に応じて色を選定できる。(オレンジやグローなど複数の色が容易されている。)
●デメリット
①作り置きを増やすと、タックルボックスのスペースを取ってしまうこと(ストッパーをセットした状態のフックのセットが増えるため)
②ゴム製等比較的柔らかい材質なので、耐用期間が短い(再利用できないものもある。)
こちらの形式の製品で釣れたメバル
とりあえず、簡単にまとめてみましたが、結論として、それぞれにメリットとデメリットがあります。
個人的には、魚のバイトでネクタイやスカートを噛まれたら、それがずれてフックに絡み釣りにならないことが一番致命的な欠点と考えるので、現在はストッパー式が一番お勧めです。
釣行前に少し準備をする必要がありますが、フックを別に組んでさえいれば、それにストッパー式のパーツを付けるだけで、あとはネクタイやスカートを当日の状況に応じて変えるだけなので、ストッパー式は非常にお勧めです。
ヘッドのカラーとの調和については、相当数の魚を釣ってきましたが、ヘッドは無色でも釣れるし、よほどシビアな時以外は真鯛もヘッドとスカートやネクタイのカラーが別の系統の色であっても釣れるのでそこまでシビアに考える必要はありません。
このネクタイやスカートの交換は、塵も積もれば山となるぐらいの時間になるので、なるべく交換にかかる時間を節約し、海の中に仕掛けを入れて釣果を上げることに専念した方が良いと思っています。(確率的に仕掛けを落とした回数が多いほどヒット率が上がるのは明確です(瀬付き等一部の魚を除く。))