がま磯調子は健在&繊細な釣りにも対応
「(がま磯ブラックトリガーを)実際に持ってもらうと、全体的に張りのある仕上がりになっていると感じてもらえます」
と聞いて気になるのが、がま磯チヌフカセロッド最大の特徴ともいえる「きれいな曲がり」と「力強い粘り」という「がま磯調子」がどうなっているかという点。
これについて中西さんは、「まったく問題ないですね。むしろその副次的な効果もありますよ」と言う。
「魚を掛けてもらうと分かりますが、3番から胴元にかけてしっかり曲がります。張りの強さのおかげで号数以上の余裕が感じられると思いますが、私は『チヌ競技スペシャルⅢ』を彷彿とさせる強さと感じました。チヌを怒らせず、ゆっくり誘導して浮かせることができます」
これは「トレカT1100G」と「ナノアロイ」という素材と、「アクティブサスデザイン」など、がまかつの竿製造技術によるものだろうと中西さん。
「アワセの決まりやすさ」という副次的な効果もある。全体的な張りのおかげで、糸フケを出している状態でアワせてもハリ先に力が伝わりやすいので、ハリ掛かりしやすいとのこと。
「胴元の力で掛けていた感じが、3番からの力で掛けはじめて胴元へと重みがスムーズに乗ってくるという感触ですね」
【がま磯ブラックトリガー】の先径は0.85mm。これは他のがまかつのチヌフカセロッドと比べると太い(がま磯マスターモデルⅡチヌなどは0.75mm)。
中西さんもテスト段階では、「穂先が太短くなったことでの繊細さが減少するのでは?」と気になったという。チヌフカセシーンでは、ウキごと仕掛けを沈めて、穂先でアタリをとる、食い込ませるなどの釣り方も多いからだ。
「もともとがま磯のチヌフカセロッドの穂先は細く、柔軟で感度がよいというのが特徴でしたからね。そういう釣りをする方には適さないのかもと思ったのですが、問題なかったです」
穂先は太短いもののしなやかさで、誘ったり食い込ませたりできる繊細も併せ持っているという。また太いことでのメリットもある。
「逆光の中で穂先が見えやすいんですよ。穂先でアタリをとる人にはうれしい部分ですね」
0.6号と1号の使い分け
【がま磯ブラックトリガー】は0.6号と1号の2モデルをラインナップ。中西さんに使い分けを聞いてみた。
0.6号
「瀬戸内ならどこでも使えますね。渚のようなオープンな場所で、オーバースローでフルキャストするのもいいですし、軽い力でも飛ばせるので、狭い場所での釣りにもいいと思います。これまで攻めあぐねた狭い磯などの沖を狙えます」
1号
「重いウキを使ってより遠くへ飛ばしたいとき、チヌのアベレージサイズが大きく、グレやブダイなど引きの強い外道が食ってくるエリアで活躍してくれます。高知県の宿毛湾などで遠投するときに、使ってみたいですね。マッスルチヌと真っ向勝負できるでしょう」
【まきーな FINE SPECIAL Ⅱ丸】とベストマッチ
「【がま磯ブラックトリガー】は『まきーな FINE SPECIAL Ⅱ丸』とセットで使うことも想定している竿なんですよ。どちらも楽に遠くに正確に投げられるがコンセプトですから。ぜひセットで遠投の釣りをしてみてください」
次ページでは【がま磯ブラックトリガー】06号の安芸灘とびしま海道での実釣を紹介。