2019年版 北海道のタイラバ総括(沖五目・ボートロック)について/北海道

釣歴30年、得意なジャンルはキスの投げ釣りと船釣り全般です。特に、最近は全国各地でタイラバで遊んでます。メインフィールドは北部九州及び北海道です。海、淡水問わずいろいろな釣りにチャレンジし、特に、海釣りにおいては北海道のタイラバの普及、レバーブレーキを使用したスピニングタイラバの普及等に力を入れてます。

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【沖五目のタイラバ】

沖五目のタイラバのタックル

まず知ってもらいたいのが道具立てです。少しタックルが強いようと思われるかもしれませんが、これが約5年間、北海道でタイラバを研究してきた結論です。

 

ヘッドの重さの考え方ですが、これは一般的なタイラバではおなじみの「水深=ヘッドの重さ(g)」というのは成立しません。

それは、北海道にはタイがほぼいないので、ソイ等の根魚がメインということは、あくまで底を取ることが大切ということです。

いかに底付近を集中的に叩けるかが重要です。

 

さらに、北海道ではタイラバはまだマイナーな釣り方であり、基本的にはエサ釣りの方と同船が普通です。

船長の流し方としてエサ釣りの方の仕掛けの入り方に合わせるのが普通です。

北海道のエサ釣りの人の道具(仕掛け)は、魚が釣れることもあって、関東周辺の沖釣りをする人たちと比べると、ひと昔以上前のコンセプト(太いPE、太い仕掛け)が主流なことが多いです。

当然オモリも水深40~50m程で120〜150号の重いものを使ったりするのでタイラバのヘッドも重い物を使わざるを得ません。

タイラバのみの出船なら軽いものが使用できますが、基本的に前述したように、マイナーな釣り方になるので、タイラバやジグなどのみで人が集まることはレアケースです。

 

私が今までに執筆を依頼された北海道のメディアでは、この点を踏まえ基本的にはヘッドは重いものが必須(80g~150g程度まで準備するとどんな状況にも対応できる)と紹介し、当然竿も150g程度まで背負える竿でないと使い辛いと紹介しています。

 

しかし、私以外の人が書いた一部のメディアでは、ヘッドは水深の1.5倍程度の重さで良いとかリーダーはナイロンが標準で、ドラグは緩く(緩い人はたいていラインブレイクしてます。根に向かう魚なので当然ですが)など浅はかな知識や経験に基づいたことを紹介しています。

ちょっと初心者の方や道外の方々が勘違いをすることを書かれているので、誤った認識をもたれないようこの記事では詳しく紹介しています。

 

最初に本州や九州のタイラバとは違うと述べましたが、魚を狙う際の着眼が違うだけで、ただ巻いて釣るというシステム自体は普通のタイラバとほとんど同じです。

竿について、柔らかい竿(チャリコに向くようなもの)は、エゾメバルには良いですが、大型のソイを釣るにはパワー負けします。

 

また、潮が速い時などに竿がしっかりとヘッドの重さを支えることができず、ラインに角度がついて、オマツリの原因及びその復旧の際に問題となることもあるので、硬い竿の方が良いです。(エゾメバルは竿が硬いとバイトを弾くことがありますが、ソイはほとんどありません。ミスバイトは、竿先を水平より下に向けるだけで回避できます。)

150gが背負える強度はなくとも、少なくとも120gぐらいまでは背負えないとエサとの同船の場合はかなり辛いです。

タイラバのクロソイ

クロソイ

リールは基本的にはハイギアのベイトが北海道の沖五目(水深50m程度)では一番使いやすいです。

ローギアも良いのですが、糸ふけの回収が間に合わないと根掛かりが発生することもあります。

無難なものはシマノの200サイズのハイギアのベイトです(300サイズのものでも問題なしです)。

後述しますが、ローギアのベイトは、ボートロックや水深が20m前後のカレイ釣りに絶大な効果を発揮しますので、持っていても損はしません。(北海道のカレイは非常に大きい(イシガレイの大型は70センチ近い物もいますので、パワーのあるベイトの方が頼もしく感じます)。

 

糸の太さは、根魚がメインなので少なくともPE0.8号以上、リーダーはフロロの3号以上が無難です。

根を攻めることもあり、根ズレに強いフロロでないとリーダーとしての機能を果たしません。

時々、PE0.6号とかのウルトラライトタックルを使う人もいますが、そういう人はたいてい魚が根に入ったりしてラインブレイクしています。

バラすと魚が警戒して食わなくなることを知らないようで、船長に怒られることもあります(イメージ的には、ネリゴ(カンパチ)と同じような感じだと思います。バラすと周りの仲間に警戒信号を出す点では)。

魚探で見ていてもバラシたり、エサ釣りの方が根掛かりをすると、一気に反応が消えます。

沖五目タイラバの釣果

2019年の沖五目の釣り納めの釣果(すべてタイラバ)

沖五目のタイラバヘッド

タイラバのヘッドの材質はタングステンでも良いのですが、特にソイの場合は根が荒いとこに住んでいることが多いので、高いタングステンが根掛かりして財布へのダメージが大きい方にはお勧めしません。

むしろ、タングステンのヘッドではシルエットが小さくなることにより、鉛より釣れない時もあります。

シルエットを小さくしたら釣れるというのは北海道のタイラバでは迷信です。

根魚なので食う時は食う、食わない時は食わないです。

そういう場合は、リアクションバイトで食わせたり、他の人よりも速く仕掛けを投入するなどして、あとはひたすら粘るしかないです。

実際、渋い時に何度もタングステンを使いましたが、効果はありません。

 

タイラバをしている方は当然ご存知とは思いますが、タングステンと鉛では巻き抵抗が違うので、ヘッドの材質を変えた場合の感覚をしっかりと把握していないとうっかり根掛かりしますのでご注意を。(タングステンのように比較的小さなヘッドは岩に挟まることも多々あります。)

ヘッドの重さは基本水深の1.5倍から3倍ぐらいまでを使います。水深=重さ(例:40mの水深に対して40gのヘッド)は基本的に成立しません。前述したように軽いヘッドを使うと根魚は釣れません。

エゾメバルは基本的に浮いているので軽いヘッドが有効な時もありますが、ソイは基本的に沖の根では底ベタなことが多く、九州にいるマハタのようにある時期に水深の半分ぐらいでベイトを追い回して泳ぎ回るようなことはありません。(ソイ類も追い回しますが、マハタなどのように極端に浮いたりはしません。)

 

沖五目の場合、私は基本的には水深がどうであれPE1号のタックルには100gのヘッド、PE1.2号のタックルには120gと、PEの号数×100gとしています。(その時の潮に合わせて20〜30g重い物を使用することもあります)

 

スピニングもベイトも私は同じ重さでやりますが、基本的にベイトの場合潮の提供を受けやすいので、状況によりスピニングタックル(リールはシマノ4000番のPGを使用)のPE1.2号は120g、ベイトは150gとすることもあります。(スピニングよりもベイトの方が少し重く)

なお、水深が80mのところを狙う時は、ヘッドの重さを150~200gに変更します。

私のタックルはスピニング、ベイトともに200gまで使えますが、年に1回ぐらいは200gの出番が少しあります。(ほとんど周りの人も釣りにならない状態ですが)

沖五目のタイラバのカラー

タイラバのカラーは、オレンジや赤などシルエットがはっきりしているものが実績があります。

黒も試してみましたが、効果がありました。

 

チャート系などの色や薄い色はなぜか食いが悪いことが多く、何度か検証しましたが、やはり定番のオレンジや赤などのカラーには及びませんでした。

沖五目のエゾメバル

沖五目で釣れたエゾメバル

フックセッティングは普通のタイラバと同じで良いですが、ガイドサービスセブンさんから出ているジャンプパーツを使ったトリプルフックシステムもバレにくいのでおススメです。

合わせてフッ素加工の針もおススメです。

フッ素加工の針を使うことにより、口が大きく、よくヒットするソイ類に加え、ショートバイトの多発するエゾメバルなどのヒット率も上がります。

この際、フックにダイワの『紅牙フレアリーフ』などのアジング用の小型ワームを付けると、スカート及びネクタイとフックが同調し、ヒット率が上がります。

特に、緑のワームを付けるとより多くの魚(主にエゾメバル)がヒットします。(エゾメバルは、緑の東北メバルサビキなどを使うとものすごく釣れます。)

 

親針に太いワームを付けてエビラバ状態にする人もおり、これでも釣れますが、タイラバのバランス的には状況によってはちょっと使い辛いかなと思います。

その場合は、ネクタイを外して使うのが一番です。

ガルプ製品の『セブンズトレーラー』を使う時もこのセッティングが一番です。

特に、このトレーラワームを使うセッティングは北海道では必ず釣れるセッティングです。大型のソイには特に有効で、一人だけ釣れるという状況になることも多いです。

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