〇はじめに
兵庫県・猪名川水系・一庫大路次川で「ニジマス・アマゴ釣り大会」が開催され、白熱する大会の様子を観戦をさせて頂きました。
当日は午前8時30分からの大会受付がスタートし、地元の渓流釣りファンをはじめ、他府県からの多くの参加者で長列となり、早朝気温マイナス4℃・水温5℃のタフコンの中、吐く息も白く指先も凍えるフィールドで開会式を待つこととなりました。
はたして、勝敗の行方は?
〇安全祈願を願ってアマゴを追加放流
猪名川漁業組合長 代理理事の開会宣言と共に豊中市民 要の水がめとなる一庫ダムの所長の挨拶をはじめ、来賓の挨拶を終えて大会実行委員長の力強いルール説明も手順良く行われ、大会の安全祈願を祈ってアマゴの追加放流がなされた後、午前9時ジャストに大会の火ぶたが切って落とされました。

〇朝イチの釣果は低迷
大寒波到来の影響のため低水温のタフフィールドコンディションに見舞われ、釣り人の朝イチの釣果は伸び悩みます。アタリは小さく、瀬尻に定位する棒状になったニジマスが時折口を使うのみ。
当然、この場合は「細仕掛け・小バリ」が有効になって来るのがセオリー。仕掛けを変え、エサを変え、サソイをかけたり……と、釣り人は各人各様の釣りスタイルで悪戦苦闘の時間が過ぎて行き、寒さも加わりさすがに焦りも出てきたようです。
しかし、午前10時前にようやく渓谷に陽が差し込み始めると、水温もやや上昇し、魚の活性が一斉に上がり始めます。そして、あちらこちらで竿先が弧を描き始め、次々と魚が宙を舞うようになってきました。
川岸で様子を見守る一庫スタッフたちも、「ほっ」と、ため息をつきひと安心のようです。


〇アマゴに照準。底波に乗せてナチュラルドリフト釣法(ゼロ釣法)で
しかし、次々とヒットし宙を舞うのは、やや小振りのニジマスばかり。低水温時は、ニジマスの活性の良さの方が一枚上のようです。
アマゴを狙う釣友のダーリンは、ニジマスばかりの釣果にしびれを切らして下流へと移動し始めました。
一方、残されたサピちゃんは、目印の位置を水面ギリギリまで下げ、あえてエサの生イクラをひと粒刺して、ナチュラルフォールからボトムリサーチして水深を目印で確認し、底波に乗せてナチュラルに流し始めます。
すると、どうやらこれが的中! 目印が水中にゆっくりと消し込み、お見事! アマゴがヒット! 「やっと・アマゴが釣れた!」と、笑顔が浮かびます。
その後は、パターンをつかんだサピちゃんにアマゴの連発ヒットが続きます。24cmオーバーの今日いちサイズアマゴも混じります。どうやら、サピちゃんの作戦に軍配が上がったようです。連れ続くサピちゃんの勢いは止まりません。
時折、生イクラを水中でエサ切りして活性を高め、喰い渋ればエサをバイオブドウ虫に変えて良型を狙います。「低水温時のヒットレンジの選択」と「しっかり食わせたタイミング」が功を奏したようです。
そして、ひと流し・ふた流しと真剣な目つきで目印に集中し、ヒットゾーンの流れ筋を丁寧に探りながらやる気アマゴを攻略していきます。
その後、ダーリンも加わり「手前の流れ筋・対岸の流れ筋」、「上流の域・下流の域」と、アベックコンビネーションで交互にポイントを絞り込んでヒットさせていきます。
ダーリンの3連発を期に、エントリーサイズの良型も含めて十分な釣果となったようです。



〇中流域では、後半ルアーマンがデッドヒート戦
釣り終了時間も近くなった頃、5cmミノーとスプーンで深場を攻めるルアーマンが、ダウンクロスからトイッチを入れてミノーで水しぶきとともにレインボーの50cmアップをヒットさせます。
すぐさま相棒のルアーマンもスプーンのスローリトリーブで40cmアップをダブルヒット! ビッグフィッシュヒットの連鎖が続きます。さらに、エサ釣りの常連の釣り人にもビッグレインボーがヒットしますが、取り込みに失敗し痛恨のバラシ。ちょっと悔しそうです。
釣り終了時刻のギリギリまであきらめずに釣りに徹する釣り人が多く、挑戦意欲でいっぱいの一生懸命に思わず拍手を贈りたい逆転劇が起こりそうなエキサイティングなシーンの連続となりました。


〇昼食でひと息ついた後は、河川クリーン作戦!
大会終了時刻と同時に、検寸を次々と済ませた釣り人たちには、温かい豚汁とお寿司の昼食が振る舞われ、その後、約30分の「河川・クリーン作戦」が上・下流に分散して実施されました。
回収されたゴミは、一庫スタッフの手によって計量され、中には10㎏超のゴミを持ち帰った「回収ゴミ名人」も登場し、一庫大路次川は以前よりもなお一層の美しさを取り戻すことができました。


〇表彰を終えて、記念撮影
表彰式には、「ニジマスの部・アマゴの部の2部門」の(1匹長寸)が競われ、ニジマス部門は、ルアーマンが独占入賞、また、アマゴの部では、釣友のサピちゃんが2連覇達成の優勝を飾り、地元常連の釣り人たちが入賞者名に名前を連ねました。
また、この大会ならではの特別賞となる「河川ゴミ回収チャンピオン」も表彰され、和気あいあいの内に大会は盛況の中、幕を閉じることとなりました。

〇おわりに
今回はタフなフィールドコンディションで釣果も伸び悩んだ釣りスタートとなりました。参加したアングラーは隠忍自重・四苦八苦の連続。そんななか、ニジマスのビッグワンと良型アマゴを狙う太仕掛けの2魚種狙いより、1魚種に狙いを定めた「粘りのルアー釣り」や「臨機応変なエサ釣り」が入賞釣果を左右したようでした。
また、エサ釣りに関しては、ジンクス通り「ニジマスを釣って、時差でアマゴを攻める!」のヒットパターンの展開となったことは言うまでもありませんでした。
次回の釣り大会は、4月27日(日)に一庫ダム下流でパワフルなレインボートラウトを釣り上げるファミリーフィッシングイベントが計画されています。単独エントリーはもちろん、ひと家族単位、アベック・ペアも全て同一料金。
家族の絆を深めたり、家族ぐるみのレクレーション・・・・など、楽しみ方は色々。是非、エントリーしてみてはいかがでしょうか。
【 お申込み先 】猪名川漁業協同組合(代) TEL 080-6175-9311(鈴木まで)/FAX 072-792-0037 ※早朝・夜分遅くのお電話は、ご遠慮下さい。
《釣行メモ》
釣行日 | 2025年2月15日 |
天候 | 曇り時々晴れ |
気温 | 早朝 -4℃ 、その後5℃ |
水温 | 早朝5℃、その後7℃ |
風 | 微風 |
《参考タックル》
竿 | 渓流竿 5.2〜6.2m | |
天井糸 | ザイト・ フロロ 0.5号(オーナーばり) | |
水中糸 | ザイト・ フロロ 0.4号(オーナーばり) | |
ハリス | ザイト・フロロ 0.25・0.3号(オーナーばり) | |
オモリ | 5〜3号 | |
ハリ | アマゴ半スレ 6号、カッパマタギ 5号(オーナーばり) |
《エサ》
サシエ | 生イクラ 、 バイオブドウ虫 |