
塩田孝吉(しおた たかよし)
愛媛県在住。第6回シマノジャパンカップクロダイ優勝。宿毛湾を中心に大型チヌを多数釣り上げているチヌ釣りの達人。Fathomフィールドテスター、マルキユーフィールドテスター、金龍鉤スペシャルモニター、黒鱗会会長
厳しい暑さが続く9月上旬、チヌフカセ釣りの名手・塩田孝吉さんが、高知県宿毛湾に釣行しました。宿毛湾と言えばパワフルな大型チヌが狙える魅力的なフィールドで、塩田さんのホームグラウンドでもあります。ここでは50㎝オーバーの年なしチヌに挑んだ釣行の模様とあわせて、使用したタックルについて紹介します。

大型チヌを攻略するためのタックル
今回、塩田さんが使用したタックルは、ロッドがシマノ『鱗海アートレータ』の1.5号530、リールはシマノ『BB-Xハイパーフォース』のC3000DXG』、ウキは工房大知A&Yの『大知A&y』の3B、ハリは金龍鉤『勝負ちぬネリエ&コーン』の3号です。落としナマリ、調整ナマリとしてG3のガン玉を2つ付けた仕掛けで狙います。
塩田さんの大型チヌ狙い仕掛け


塩田さんの使用する道糸&ハリス


道糸は塩田さんがプロデュースしたfathom(ファゾム)の『ブルーモデル』2.5号。衝撃吸収力、結束強度、耐摩耗性能に優れる扱いやすいナイロンラインです。
「私はアワセがきつい(強い)のですが、その衝撃もラインが吸収してくれます。かなり大きな魚が掛かっても安心してやり取りすることができます。それでいてしなやかで穂先に絡むこともなく、キャスト時のトラブルもありませんのでストレスなく釣りに集中できます。この道糸を使って大きなチヌを仕留めています」と塩田さん。
ハリスはファゾム『レベル』シリーズ。こちらは高い耐摩耗性能、結束強度を誇るフロロカーボンハリスで、瀬ズレに強くて宿毛湾の攻略にもおすすめ。2.5号、3号といったチヌ釣りでは太めの号数でもしなやかで扱いやすいのが特徴。道糸の『ブルーモデル』と同様に衝撃吸収力に優れるので、大きな魚が急に走るようなケースでも安心して対応することができるという。
巨チヌの宝庫、宿毛湾の攻略にはパワーのあるタックルは必要不可欠。安心してやり取りできるものを準備して釣行しましょう。
ファゾム(fathom) ナイロンライン 道糸 サスペンドタイプ BlueModel 2号 150m 日本製 釣り糸 磯釣り 船釣り

まずは宿毛湾・大藤島「マチガイ」で本命を狙う

朝焼けのなか大藤島で釣りを開始しました
当日、最初に渡礁したのは、宿毛湾の釣り場では沖寄りにある大藤島の「マチガイ」という磯。実績があるポイントのひとつで、期待が高まります。
開始早々から竿が曲がりますが、水温が高いこともあり、ハタ類やイソベラといったゲストが頻繁にヒットする状況でした。


塩田さんは磯に近いカケアガリやシモリなど手前のポイントを狙うことが多く、この日も丁寧に探っていきました。やがてマキエが効いてくると、寄ってくる魚が変わってきました。足元近くのポイントでヒットし、強烈なパワーで竿先を絞り込んだのは太平洋沿岸に多いヒブダイ(キバンドウ)。
底の荒い磯際で大きな魚が掛かっても、根ズレに強い道糸とハリスを使用しているのでトラブルを恐れることなく強気でファイトすることができます。
その後も引ったくるような豪快なアタリが出て竿が大きな弧を描いたものの、取り込んだのはヒブダイ。この魚が釣れ続いたため、磯替わりすることになりました。


池島の灯台下2番で年無しチヌをキャッチ

次に上がったのは湾奥に位置する「池島の灯台下2番」という磯。潮が引くと広くてなだらかな磯が顔を出す、トーナメントでも使用される実績ポイントのひとつです。気温が上昇するなかで、年なしチヌを狙って仕切り直しとなりました。タックルは大藤島で使用していたものと同じで、塩田さんは北向きの足元近くにあるシモリの際を丁寧に探っていきました。
ウキは入るもののハリ掛かりしない状況が続くなかで、まず最初に釣れたのは手のひらサイズの夏チヌ。この小型のチヌがサシエをくわえてウキを引っ張っているように思われました。ともあれチヌがいるのは間違いないので、サイズアップを狙って手返しを繰り返しました。

まずは手のひらサイズの夏チヌがヒットしました
この日のマキエは『チヌパワームギスペシャル』『ニューチヌパワーダッシュ』『チヌパワーVSP』『M.S.P(S)レッド』を混ぜ合わせたもので、オキアミは少量にとどめていました。サシエは練りエサのみで、『高集魚レッド』と『食い渋りイエロー』を練り込んだものを使用しました。使用するハリが大きいので、練りエサは大きめに付けて大型のチヌを狙いました。



小型のチヌが釣れてからしばらくして再びアタリ! アワセを入れた塩田さんの竿が大きな弧を描きました。
「チヌっぽい感じがする」と塩田さん。シモリがあるのでラインを出さずにやり取りを繰り返します。強い引きに対処してじっくりと浮かせるといいサイズの本命が姿を現しました。足元近くまで寄せてきましたが、浮かせてからも何度も突っ込んで抵抗します。宿毛湾のチヌ特有の強烈なファイトに落ち着いて対応し、玉網に滑り込ませたのは年なしチヌでした。




「2.3mほどの浅ダナに変えて、マキエと付けエサをずらしてシモリ際の浅いポイントに仕掛けを投入すると一発で食ってきました。シモリが多く起伏が激しいポイントですが、操作性に優れて根ズレに強いハリスと道糸を使っているので安心して取り込むことができます」と塩田さん。年なしとのファイトで『レベル』と『ブルーモデル』の優れた性能を再確認することができました。

その後は小型のチヌを何匹か追加して、アタリが遠のいたタイミングで早めに納竿することにしました。宿毛湾のチヌは今後も期待できます。信頼できるタックルを用いて大型に挑んでみてはいかがでしょうか。
大型チヌが狙える宿毛湾
こちらは塩田さんが宿毛で釣り上げた60.5㎝のチヌ。このロクマルチヌも今回紹介したのと同じタックルで釣り上げています。宿毛湾ではさらなる大型も期待できます!


《釣行メモ》
釣行日 | 2025年9月7日 |
潮汐 | 大潮 |
満潮 | 05時35分 |
干潮 | 12時07分 |
(片島/宿毛市) |
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《使用タックル》
・ロッド/鱗海アートレータ1.5号530(シマノ)
・リール/BB-XハイパーフォースC3000DXG(シマノ)
・道糸/ブルーモデル2.5号(fathom)
・ハリス/LEVEL 2.5号(fathom)
・ウキ/大知A&y 3B(工房大知A&Y)
・ハリ/勝負ちぬ ネリエ&コーン3号(金龍鉤)
《エサ》
・サシエ/高集魚レッド、食い渋りイエロー(マルキユー)
・マキエ/チヌパワームギスペシャル、チヌパワーVSP、ニューチヌパワーダッシュ、M.S.P(S)レッド、ムギコーンスペシャル(マルキユー)