フカセ釣り師の疑問に名手や編集部が答えるQ&Aコーナー。
Q:チヌのフカセ釣りで、仕掛けを投入して流して回収するまでの時間はどうやって決めているのですか? 釣り場によって変わるとは思いますが、目安のようなものが分かると自分の釣りに活かせます。ぜひ教えてください。(北九州市/洞海湾のチヌキングさん)
回答:百合野 崇さん(ゆりのたかし)/シマノ磯フィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ、金龍鉤プロスタッフ
私は釣り場の水深や潮の速さに対する仕掛けのなじみ方、チヌ、エサ盗りを含めた魚の活性など、釣り場の状況に応じて仕掛けを流す時間を変えています。
ただ基本としている時間がないと調整はしにくいもの。ここでは私が初めての場所を探りながらチヌを狙っていく流れを例にご紹介します。
仕掛けを流す基準は2分30分
私は初めての場所では、投入してから回収までのワンストロークを2分30秒にしています。
この時間は、水深10m前後の流れが緩いポイントで、私がいつも使っている仕掛けがなじんで底までサシエ(ハリ)が到達し、少し流せる時間と考えています。
その後は釣りをしながら状況を把握して、流す時間を変えていきます。
アタリがなく、サシエが残るなら2分30秒より長めにします。冬季から春先などエサ盗りが少なく、チヌの活性も低いときはこの傾向が強く、最大5分以上流すこともあります。
水深が深くてサシエが残るときは、仕掛けを流す時間が長めにするということです。
「チヌがあまり動かず、サシエが残る場合は長く流します」
逆に2分30秒までの間にアタリ(掛からない)が多発したりエサがなくなったりする場合は、エサ盗りも含めてチヌのタナが浅いと仮定して手返しよく釣るため、2分30秒より短くします。
特にチヌがマキエに浮く乗っ込み期、高水温期はかなり短くすることもあります。
「エサ盗りが多い時は手返しを早めます。サシエの無い仕掛けをいくら流しても時間のロスです」
そのほか、エサ盗りが多くても仕掛けを入れる場所をマキエよりもかなり潮上や潮下にすることで長めに流すこともあります。逆にシモリ際などのピンポイントを狙うときは、深場でも手返しよく打ち返すこともあります。
「エサ盗りが多い時でも、マキエとサシエの投入位置を大きく離してエサ盗りをかわせる場合は長く流すこともあります」
まずはご自身がよく使われる仕掛けが狙いのタナまでなじむ時間を想定して、それを目安に状況に合わせた釣りを展開させてみてください。