レバーブレーキを使用したスピニングタイラバ釣法について その2(増補版)

釣歴30年、得意なジャンルはキスの投げ釣りと船釣り全般です。特に、最近は全国各地でタイラバで遊んでます。メインフィールドは北部九州及び北海道です。海、淡水問わずいろいろな釣りにチャレンジし、特に、海釣りにおいては北海道のタイラバの普及、レバーブレーキを使用したスピニングタイラバの普及等に力を入れてます。

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この記事は、以前に紹介した「レバーブレーキを使用したスピニングタイラバ釣法について」の増補となります。(一部内容は重複します。)

特に、今回はレバーブレーキ(付きスピニングリール=LBリール)のデメリット、使うべき状況等について、細部について詳しく紹介します。

上はスピニングタイラバで釣れたクロソイ達(最大47センチ)。これで釣果の一部です。デメリットも理解して、状況に合わせて使用することで効果を発揮します。。

真鯛2キロ程(九州)

真鯛2キロ程(九州)

【レバーブレーキのデメリットについて】

まず、レバーブレーキを新たな釣法として、「たくさん釣れる」と思っている方は多いと思いますが、はっきり言ってこの釣法にわざわざタックルを揃える程のメリットはありません。

これは、バーティカルのスピニングタイラバと合わせて相当数を釣ってきた結果わかったことです。

レバーブレーキのスピニングタックルでないと、フォールで食わせられないかというとこれ自体が誤りです。

実際にバーティカルのスピニングタイラバをメインでずっとやっていますが、意外とフリーフォールで食うことが多いです。

特に、北海道の黒ソイやアイナメ、ブリ等は特に頻度が高いです。

また、真鯛においては、レバーブレーキを使用したフォールではチャリコサイズ(手のひらより少し大きいぐらい)が多い時はまず釣れません。

理由として考えられるのが、ヘッドのサイズがどうこうではなくて、魚の口が小さいこととレバーブレーキを使用したフォール時の微妙な振動などで食う時に違和感があるのではと考えています。

チャリコサイズが多い時は効果が薄い

よくこの釣り方を知らない人が勘違いしているのですが、ベイトリールのようなフォールができるといっても、それはベイトリールのフォールの精度が1とする、レバーブレーキのフォール精度は0.7ぐらいしかありません。

そこにハンドルがバランサーの付いていないシングルハンドルというマイナス条件が追加されると、精度が概ね0.4ぐらいに低下します。

それぐらい、人の手でレバーブレーキを使用して操作するのは難しいということです。

ここにさらにタイラバの形状等の要因が加わると、更に精度が落ちることも多いです。

個人的な感覚ですが、実際にこの釣りの第一人者として、相当数の魚を釣り、データも取って分析しているので、間違いはないかと思います。

また、『BUITURBOブレーキ(バイターボブレーキ)』を使うともっとこの精度が低下します。理由は何度も紹介しているようにブレーキが効きすぎるためです。

スピニングタイラバで使用するレバーブレーキリール『17モアザン』(現段階の最高のセッティングです)

スピニングタックル レバーブレーキリール 18トーナメント磯3000LBD (性能は最高ですが、ブレーキが効きすぎるのが欠点)

レバーブレーキのタックルのメリットとデメリットは過去の記事で詳しく紹介しているのでそちらも参考にしてください。

【レバーブレーキを使うべき状況について】

ドテラで使う分には、問題はないと思いますが、それでも精度はベイトに比べて落ちます。(ダブルハンドルなどへの交換は必須です。※上記のタックル写真参照)

バーティカルのスピニングタイラバなら、前述したように特に精度は落ちます。

何度も言いますが、小型が多いフィールドでは効果が薄いです。

また、主なベイトが甲殻類などの小動物が多く、イワシが少ない地域でもダメです。

このような場所では、当初レバーブレーキを使用してフォールをしていてアタリがなかったため、フリーフォールに切り替えると突然ヒットすることも多かったです。

上記の事柄から、

・ある程度、潮が効いている

・中型以上の真鯛がいる

これらの条件が揃わない限り、レバーブレーキを使ったスピニングタックルは効果を最大限に発揮できません。

レバーブレーキを使用したスピニングタイラバが一番効果を発揮したのは北海道のタイラバですが、こちらのタックルセッティングについて簡単に紹介します。

北海道では、基本的にはトレーラワームを使用したセッティングが年間を通じて効果を発揮します。

その理由は、北海道の魚はほとんど大型の根魚ばかりで、チャリコサイズの真鯛より大きく、口が大きく、捕食方法が異なるためです。

2.5キロのクロソイ(北海道)

マゾイ タイラバ

マゾイ40センチ(北海道)

トウベツカジカとタイラバ

トウベツカジカ(北海道)

マカジカ(北海道)

見た目は悪いが美味しいマカジカ(北海道)

なお、北海道のタイラバについては、詳しく知りたい方はそちらを参照してください。

2019年版 北海道のタイラバ総括(沖五目・ボートロック)について/北海道

実際にトレーラーワームを使うと浮力が高いので、レバーブレーキを使用したフォールとの相性がよく、ゆっくりフォールで誘うことができ、特に黒ソイなどに効果的で多くの実績があります。

(黒ソイは特にゆっくり落ちてくるエサに興味を示すので、エサ釣りの人のハリスは1m程と長いです。)

その他に、イワシ真鯛(50センチ以上)もトレーラーワームへの反応がよく、このレバーブレーキを使用したフォールでよく釣れます。

現在の段階では、レバーブレーキを使用したスピニングタイラバのベストのセッティングは、このトレーラワームを使用したり、水の抵抗があるスカートやネクタイのセッティングが一番相性が良いと思います。

ガルプ! セブンズトレーラー

『ガルプ! セブンズトレーラー』

トレーラーワームとエゾメバル

トレーラワームと良型のエゾメバル(北海道)

アイナメとタイラバ

アイナメ(北海道)

ワラズカ(ナガヅカ)(北海道)

ワラズカ(ナガヅカ)(北海道)

ドンコ(エゾイソアイナメ)(北海道)

ドンコ(エゾイソアイナメ)(北海道)

【結言】

新しい釣法と聞くと多くの釣り人が反応しますが、少し前から流行りだしたスピニングタイラバを使ったディープドテラ等は実際は10年以上からありましたし、電動タイラバもそれぐらいからありました。

私のバーティカルのスピニングタイラバは、このディープドテラもずっとやって検証してきたものなので、スピニングタイラバのタックルのセッティングとしてはすでに完成されて久しいものとなっています。

最近はネタがないからか、昔からあるものに名前を付けて流行らせようというものが多いですが、釣り方ができた背景や経緯についても紹介しているメーカーや雑誌が少ないと感じています。

レバーブレーキのスピニングタイラバにせよ、私がタイラバに取り入れるようになる前からひとつテンヤで使う人もいました。(その頃のLBリールは、完全な磯釣り用みたいな作りでした。)

特に、レバーブレーキを使用した釣り方では、「提唱します」と言う人達の中で、なぜその釣り方が釣れるのかを説明できない人が多くいることに疑問に感じています。

自らが好きで作り出し、提唱するならばその釣り方のメリットやデメリット、釣れるための方法などをしっかりと説明できるはずですが、それができていないのが不思議です。

動画を公開して単に釣っている姿を見せるだけでは、何ら他の人のメリットにもなっていませんし、製品のPR動画にしかすぎません。

何度もこの釣り方について紹介しているように、この釣り方は面白いですが、一方で道具も高く、使用する条件も限られてきます。そのメリットとデメリットを理解してもらってから、タックルを揃えていただき、楽しんでもらいたいと思っています。

無理に新しい釣りをするのではなく、自分の楽しめる釣り方を考えていくのも、釣りの楽しみだとも考えています。

北海道のおススメのタイラバの遊漁船

苫小牧 タマリスク→ http://tamaturi.com/

レバーブレーキを使用したタックル等細部を知りたい人はこちらをどうぞ(私が運営している釣りサイトです、タックルインプレなど【釣りぽ】には書ききれない分を載せています。)

日本の釣りにしらしんけん