小倉⇔松山航路フェリー
福岡県と愛媛県を結ぶ小倉⇔松山航路フェリー。この航路が出来た52年前、わたくしは小学生でした。日本列島改造論で国も庶民も目指すものがあったし学校には子供があふれていました。が、様々な事柄があった半世紀を過ぎると誰しもが予想していて解っていた事ながらどうしようもない事。少子老齢化社会が到来して所々に需要が減り出しました。
小倉と松山の間にフェリーがあって数少ない夜間航路である事は知っていましたが、6月末で終わりになる事はつい最近知りました。サヨナラ好きの日本人が、まさか押し寄せているとは露知らず2025年6月20日夜に小倉発・松山行きの便に乗ってみました。出港の50分前に桟橋につきましたが2等の雑魚寝席しかなし、全て満杯の大盛況。

21時55分に港を出たくるしま丸は関門海峡の夜景煌めく中を静かに静かに滑って行きます。星降る周防灘にはいってから23時を越えると、まるで50年前の修学旅行の様に船内消灯になります。船内に中浴場もあって、ビールも売店で売っているので「いか姿フライ」をアテに一杯やって、熟睡……。カーテンから漏れる日の出で覗いてみると松山の沖の島々が見えました。
午前5時に着岸しても6時半までは船内でウェイトしてよくて、星降る夜のオトナの修学旅行終了。航路の再開を大期待です。
新岡山港出船 鯛サビキで真鯛釣り
さて松山からは予讃線上りで岡山入りして、6月22日に新岡山港の「海遊丸」さんで真鯛サビキをやって来ました。
4時30分出船でしたが4時すぎに着くともうベテランさん方が揃っておられて、朝焼け降り注ぐ瀬戸内海中部へ出船。

デッキ内でくじ引きすると【1】! 「一番食いがいいと思いますよ」っと皆さん口を揃えて言ってくださって、嬉しいやら写真撮りしなくちゃいけないし皆さんにまず釣ってもらわないと、と恐縮するやらです。ベテランさんからの事前情報で、例年の春の様に底が平らなところへは行かないそうです。どうやら深いところからずうっと上がった海の中の山の上にいるんだそうです、真鯛が。
ポイントに着くと早くも仕掛けが入った大ドモの2人に食いつきました。40cm 1kg級が3点掛けで上がっていまして、左大ドモのベテランさんは50cm 2㎏クラスの良型です。画撮りの間に左ミヨシの中乗りさんが当てて、これも40cm 1kg級を上げました。



「いきなり時合だぁ」てんで、わたくしも竿を出させていただきました。50号のオモリを底に着けてから、多少糸を出してサビキ仕掛けを這わせます。数十秒待って、ゆっくり竿を立てて仕掛けを上げて来ると、コンコンコンコンと鋭角的な引き。それが幾度も幾度も重なって、とうとうメバルとかにも使う瀬戸内海独特の長身軟調竿が立たなくなりました。それでもこれでもかと真鯛は食って来ます。
わたくしはサビキ仕掛けは捌きが大変なんで、メバルサビキも鯛サビキも鰺サビキも好きになれないんですが、唯一この時の醍醐味だけは他のどんな釣り方にもない至福の時だと思います。だから真鯛サビキはやめられない。
やっと仕掛けが上がって竿を立てて、ライトグリーンやオレンジ、ピンクのついた針を上げて来ると、ドーンと真鯛が船のヘリから顔を出してくるじゃあないですか。サビキの途中から⒈2kg 42cm、36cm 800g、36cm 800gと3点掛け! トータルすると3kg近いわけで、どうりでよく引くわけです。
外している内に船長が上り直してくれて、再投入。ズンズンズンと来て、「今度はさっきよりよりスムースに上がるなぁ」と思ったら36cm 800gの1枚だけでした。
と、ここでアタリがぴったり止りました。船中全体でストップ。船長は真鯛が口を使いそうな群れを探して船団の中に入ったり、島周りを探ったりと色々と手を打ってくれるものの効果なく、「朝の盛上がりだけかぁ」と思いきや、再びトモのベテランのお2人が当てだした。真鯛だけでなく鰺も当てて、「今夜は2点盛りかあ。豪勢な」と思っていたら、やっとミヨシのこっちにも回って来ました。潮が変わったんですなあ。

正面に出て行くPEに、トントーンとメバルサビキ用の軟調竿が持って行かれて36cm 800g、36cm 800g、30cm 500g、36cm 800gと1枚づつながら上がってきます。さらに昼飯食ってから30cm 500gが2枚続けて来ました。
ラスト帰り道で2つ3つ近場のポイントを流しましたが、船中で30cm 500gが1枚のみで終了。大ドモの2人は50cm 2kg~30cm 500gを14枚づつでマルアジ混じり。ミヨシの私は42cm 1kg~30cm 500gを9枚。
先週は全員30枚越えだったのに、と元気がなかったけれど相手は真鯛。「これだけ上がれば充分じゃないの」と言うのは関東出身の自分だけでしょうか。


さて今回のイカフライ。行った先の岡山では、「あまり聞かんねぇ。〇〇製麺の天婦羅のなかにも岡山ではイカ天婦羅は無いとか、あるけど注文少ないとか言いますよぉ」と岡山駅迄運んでいたたいたタクシーの運転手さん。で、小倉松山フェリーの中で売っていた「いか姿フライ」です。

これは広島県呉市で作られていて、原型は丸型だったという目撃証言もあります。
旅釣り「ホテルと食事」
さてお待たせしました今回の旅釣りですが宿を取った東横イン岡山駅西口広場の向かいにあります「居酒屋とりでい」さん。岡山名物、ママカリの酢漬けと黄ニラの雑炊がありました。焼鳥とママカリ酢漬けで生ビールをやって、仕上げに黄ニラの雑炊で上げても諸物価値上がりの当節でもお財布に優しいお値段でした。是非どうぞ。


《釣行メモ》
釣行日 | 2025年6月22日 |
潮汐 | 中潮 |
満潮 | 07時04分 |
干潮 | 14時02分 |
(新岡山港) |
《使用タックル》
・ロッド/軟調中通し竿30-360
・リール/イッツ ICV200(ダイワ)
・ライン/PE 2号200m
・オモリ/ホゴオモリ 50号
・仕掛け/海遊丸オリジナル真鯛サビキ