北灘湾で1投目から良型マダイヒット
2021年2月20日、チヌかかり釣りの名手・正木義則さんが巨チヌポイント「北灘湾」(愛媛県宇和島市)に釣行した。
新型コロナ感染拡大の影響で、この取材が今年の初かかり釣り釣行となった正木さん。
「チヌ屋くまさか」さんのカセ(養殖筏に係留している小舟)に乗ると、さっそくエサとタックルを準備。
この日のダンゴは『ニュー赤だんごチヌ』1箱に『濁りオカラ』『コーンダンゴチヌ』『荒びきさなぎ徳用』(全てマルキユー)を各1袋。
この時期の北灘湾のポイントは30m以上、時には50m近い深場となる。このような場所ではベースには粘りがある『ニュー赤だんごチヌ』がむいているとのこと。
まずはダンゴをポイントに投入してからタックルを準備。
手にした竿は正木さんがプロデュースした『カセ筏師 THEアスリート SAMURAI MM(Masaki Model)』。
ラインは、大型のマダイがヒットしていると聞いたため、普段よりも太めのシーガー『筏ちぬスペシャルⅡ』の2号を使用。
◯正木さんの仕掛け
準備が整ったところで第1投。
このポイントの水深は35mあるので、投入からしばらく待って着底。
「(ダンゴが沈むまで)時間がかかるね」と言いながら、竿を構えてアタリを待っていた正木さんが素早く大きなアワセを入れた!
竿を大きく曲げる強い引き! 1投目からのチヌヒットを期待したが、正木さんは「チヌじゃないね。赤い魚だよ」。
浮いてきたのは、言葉通りのマダイ。しかし、なかなかの良型!
北灘湾はマダイの魚影も濃く、マダイが連発する時もある。そんな時は、マダイの中で突然良型のチヌがヒットすることも多い。
「マダイでも1投目から反応があるのはいいね」と正木さんはダンゴを投入。
続いてのヒットもすぐにきた! しかし、リールを巻きながら正木さんは「なんだろう? ヒットはしてるけど引きが変だ」とクビを傾げる。
やがて上がってきたのは細長いシルエット。
ホタテウミヘビ……。
口を大きく開けて威嚇してくるので、すぐにリリース。
正木さんは「こんは魚はめったに釣れないんだけどな」と苦笑い。
気を取り直してダンゴを入れると、着底したダンゴを魚がつつくダンゴアタリ! ダンゴから出たサシエにヒットしたのは、これも良型のマダイ!
朝いちからマダイの活性も高いし、ヒットが連続する忙しい1日になりそう! この時まではそう思っていたのだが……。
食い渋る中、イエローのオキアミにマダイヒット!
開始早々に連続してマダイがヒットし、このまま続くと思われたのだが、ここから急に状況が一変。マダイのアタリも急激に遠のいてしまった。
底層の水温が変化したのか? 正確な理由はわからないものの、ダンゴアタリが出ないどころか、サシエがエサ取りにもつつかれずに残ってくる状況が続くようになった。
「水温が低いこの時期はこういうこともよくあるよ」
正木さんはアタリが遠くとすぐにサシエの種類を変えたり、ダンゴの割れるタイミングを変えたりと、厳しい中でもヒットに近づくために様々な方法を試していく。
ただ、普段のかかり釣りで抜群の食いの良さをみせる生きたボケ(テジロ)もそのまま上がってくる。いつもはよく釣れる丸エビも反応無し。殻を剥いてむき身にしても、そのまま残ってくる。
チヌやマダイだけでなく、エサ取りも動かない状況のようだ。
そんな厳しい中だが、やがて正木さんはあるサシエを使って単発ながらもマダイをヒットさせはじめた。
この日、持参して使ったサシエはオキアミ(『くわせオキアミ スーパーハード』『くわせオキアミ 食い込みイエロー』)、ボケ、サナギ(『ニューさなぎミンチ激荒』)・丸エビ(『くわせ丸エビイエロー』)、コーンなど多数。
それぞれに実績の高いエサで、さらにオキアミ+コーンなどの組み合わせも複数試したが、食い渋ってからマダイがヒットしたのは『くわせオキアミ 食い込みイエロー』のみだった。
色によるアピールなのか、食い込みやすい柔らかさなのか理由はわからないが、正木さんも不思議がるほどこの日の魚はこのエサに反応した。
もちろんこれはこの日の状況で、他の日には別のサシエが当たりエサになることも多い。そのため、正木さんは上記のようにたくさんのサシエを用意して釣行している。
ヒットするサシエと言っても、活性が下がっているためガツンと食い込むことはほとんどなく、小さな抑え込むようなアタリがほとんど。
正木さんはそれを確実に捉えてアワセてマダイを釣り上げていく。
北灘湾では、前週にはチヌもマダイもよく釣れていたそうだが、この日は周りのカセもほとんど竿が曲がらない。一時的に全体が活性が落ちてしまったようだ。
そんな厳しい状況の中、名人・正木義則さんが後半に驚きの釣りを見せてくれた。