予告して54センチの大型チヌをキャッチ!
この日、ヒットするマダイはどれも良型揃い。正午頃に大きく竿を曲げたのは60センチを軽く超える大きなマダイ!
本命のチヌではないが、久しぶりのかかり釣りでのパワフルなファイトで正木さんも楽しそうな様子。
厳しい中なので、マダイがこれだけ釣れたら良いと思っていたが、正木さんの狙いはやはりチヌ! マダイでは満足せず、休むことなくチヌを狙ってダンゴを沈め続ける。
この日の満潮は11時49分。潮が変化してアタリが出ることを期待したが、昼を過ぎても状況は変わらず。
単発でマダイがヒットしながら時間は15時。この日はチヌの顔を見るのは難しいだろうと諦めかけた時、正木さんが突然、
「16時過ぎにチヌが釣れる気がするな」
とつぶやいた。
もうチヌは厳しいと思っていたこともあって、この一言について正木さんには深く聞かなかったのだが……。
それから1時間ほど経過。少し潮が動く中、正木さんは底でダンゴを割ってサシエを流す時に、穂先をスーッと持ち上げてサシエを浮かせ、そこからゆっくり下げてサシエを沈ませる。
魚がゆっくり落ちるエサに反応することが多いため、誘いをいれているのだ。
また、この直前に魚が食い渋っている感じがしたとのことで、サシエ『くわせオキアミ 食い込みイエロー』を2匹刺しから1匹刺しに変更していた。
ガン玉無しの軽い仕掛けでラインを上下させてサシエをゆっくり沈ませていた正木さんが、穂先を止めて集中した。
絶妙にラインを張ると、穂先がわずかに押さえ込まれているように見える。波による船の上下動もありアワセのタイミングをとるのは難しい。
そんな中、波によって上下していた穂先が、一瞬、ほんのわずかに波と違うタイミングで抑えられた(正木さん談。横で見ていた私にはアタリがわからなかった)。
これを見逃さずに全身でアワセを入れると、正木さんのロッドが大きく弧を描いた!
重量感のある走りを竿をためて止め、魚がたまらず浮くと一気にリールを巻く。魚がゴン、ゴンと大きく頭を振るのが穂先へと伝わってくる。
「これ、チヌっぽいけどな。マダイの(引きの)スピード感がない」
そう言いながら、重い引きに余裕をもって対応する正木さん。
やがて海中に見えてきた魚体は……
「チヌ!」
それもでかい!
厳しい状況の中で、釣り上げたのは54センチの年無しチヌ! 体高と厚みがある素晴らしい魚体のチヌだった。
取り込んだ時間は16時8分! まさに予告通りの「16時過ぎ」のチヌのヒットだった!
諦めずに常にチヌを釣るための方法を模索しながら仕掛けを入れ続けた結果の1匹。
オキアミを1粒刺しにして、針も通常の北灘湾よりも小さい3号に落としていたが、針は唇の端にかかっていただけ。
大きなエサ、大きな針では食い込んでいなかったかもしれない。
今後は大型チヌの期待大! マダイ狙いもオススメ
取材時に一時的に食いが落ちていた北灘湾だが、1週間ほど経過した現在は再びチヌが上向いてよく釣れている。
北灘湾はロクマル(60センチオーバー)が狙えるポイント。自己記録更新を狙って釣行してみてはいかがだろうか?
マダイもよく釣れるポイントなので、短竿でマダイを狙ってみるのもオススメだ。
利用渡船(カセ)
チヌ屋くまさか(愛媛県宇和島市津島町北灘丁小日堤)
《マップ》
※マップの釣り場の大まかな場所です。釣れたポイントとは異なります。自己責任の元、十分に注意して釣行してください。
《釣行メモ》
釣行日 | 2021年2月20日 |
潮汐 | 小潮 |
満潮 | 11時49分 |
干潮 | 05時49分 |
(宇和島) |
かかり釣り便利グッズ
正木さんがカセ(筏)で水深を測るのに使用しているのが『ポータブル測探器 PS-7』(HONDEX)。
海面から底に向けてボタンを押すだけで手軽に素早く水深を測ることができる。