水温も上がり瀬戸内や山陰ではアコウ(キジハタ)、太平洋沿岸ではオオモンハタなど、ロックフィッシュ狙いもおもしろいシーズンを迎えています。良型のハタ類は重量感たっぷりで引きは強烈! 身近な波止や磯でパワーファイトが楽しめます。また、ハタ類にはおいしい魚種が多く、持ち帰ってからの料理も魅力です。釣ってよし、食べてよしのロックフィッシュゲームを楽しむときのタックルや釣り方をヒロセマンこと広瀬達樹さんに解説してもらいました!
海底の岩礁帯を棲家にする根魚(おもにハタ)を狙うロックフィッシュゲーム。アタリを感じたらフルパワーでフッキングに持ち込み、そのまま一気に浮かせて根に潜られるのを防ぐ、非常にゲーム性が高くエキサイティングな釣りです。一瞬にして「静」から「動」へと変わり、力対力のパワーファイトは多くのアングラーを魅了してやみません。
また、ハタ科の魚は釣るだけではなく、家に帰ってからの「食」も魅力です。お造りはもちろん、煮付けや鍋、唐揚げなど、いろんな料理でおいしくいただくことができます。釣って楽しく食べても最高! お魚大好きキープ派のアングラーには言うことなしのターゲットではないでしょうか。
エリアやフィールドによって狙える魚種が異なるのもロックフィッシュゲームの魅力です!
第2回 ロックフィッシュ用タックルの揃え方
第3回 ロックフィッシュの基本的な釣り方
西日本で釣れる主なロックフィッシュ
アコウ
標準和名はキジハタ。ハタ類の中では小〜中型に分類され、成長しても60cm前後まで。青森県以南の広範囲に分類し、砂混じりの岩礁帯や消波ブロック周辺に生息。放流事業が盛んにおこなわれ、近年は瀬戸内海を中心に個体数が増加傾向にある。
オオモンハタ
外洋の岩礁帯に生息する中型のハタで、アコウと同じく60cm前後にまで成長。おもにエビやカニといった甲殻類を食べますが、イワシやキビナゴの群れが通りかかると、中層付近まで浮き上がって捕食します。
アカハタ
名前の通り赤い体色をしたハタで、国内では関東以南の太平洋側(日本海側では富山湾以南)の岩礁域に生息。オオモンハタと同じ場所で釣れることがありますが、捕食目的で中層まで浮き上がることは少ない魚です。
西日本で狙えるその他のロックフィッシュ
釣り場を探す
磯
磯はロックフィッシュゲームのメインフィールド。スパイクシューズやライフジャケット(ベストタイプ)などの安全装備をしっかり整えて釣りを楽しみましょう。
波止
漁港の波止周りもロックフィッシュゲームの好ポイント。周囲の海底が砂地のみではなく、シモリや海藻帯が絡めば釣果はさらに期待できます。
沖磯
渡船を利用して水深のある沖磯へ渡るのもおもしろい。地磯と比べて釣り荒れていないことが多く、好釣果が期待できます。また、深場を好むアカハタのメインポイントでもあります。
ハタと一言でいっても、エリアや釣り場によって狙える魚種が変わります。たとえば瀬戸内や日本海側ならアコウがメインターゲットになりますが、黒潮の影響を受ける宇和海や太平洋側になるとオオモンハタやアカハタがこの釣りの中心となります。
生息エリアは違っても、どのハタ類も隠れ家があってエサとなるエビやカニ、小魚などが豊富な場所が釣り場となります。具体的には地磯や漁港の波止、沖一文字などで、潮がどんよりしている場所よりも潮通しのいい場所のほうがエサとなる生物が多く、ロックフィッシュ狙いの釣り場としては有望です。
また、アカハタに関しては根が荒い岩礁帯を好みますが、アコウやオオモンハタはエサを求めて泳ぎ回ることがあるため、砂地の中に点在するシモリや海藻帯なども狙い目となります。
磯で釣る場合は干潮時に下見して障害物の位置をチェックしておくと狙いの場所を把握できます。
(画像17)
波止の中でも消波ブロックが数多く設置されているところは狙い目。
足元の波止や岸壁際にもロックフィッシュは潜んでいます。
敷石や捨て石周りはロックフィッシュ狙いの好スポット。
潮通しがいい場所はエサが豊富でロックフィッシュの魚影も濃い。とくにアコウは潮がよく流れる場所ほど大型が多い。
ロックフィッシュが捕食する代表的なエサ
ロックフィッシュが何を捕食しているかを知ることで、ルアーを使ったロックフィッシュゲームを組み立てやすくなります。
さまざまなフィッシュイーターの好物の小イカ。ロックフィッシュもよく食べています。
オオモンハタはイワシやキビナゴといった中層以浅を泳ぐ小魚も活発に追い回して捕食しています。
同じロックフィッシュであるカサゴやメバル、ソイの幼魚もエサとなっています。
エビやカニはロックフィッシュのメインベイト。これら甲殻類は海藻が生えている岩礁帯に多く生息しています。