フカセ&ショアラバで狙う オカッパリマダイ その①

【釣りぽ編集部】の制作記事。基本的な釣り方や釣り場情報、イベント・キャンペーン情報を中心に紹介。

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タイラバやひとつテンヤのおかげでマダイはずいぶん身近なターゲットになりましたが、それって船だけの話でしょうか? いえいえマダイはオカッパリからも狙いやすくなっているのです。

今回はそんなオカッパリからのマダイ釣り「フカセ釣りでのマダイ釣り=フカセマダイ」と「ショアジギング」の2スタイルを紹介します。

岸からのマダイ釣り

エサ釣り派はフカセ釣り

マキエを使うことでマダイをより近くへ呼び込みやすいので、時合を自分で作り出しやすいのがフカセ釣りのメリットです。また、仕掛けをマキエとともに長距離流して食わせることもできます。これはフカセならではでしょう。100m流した先でマダイを食わせたというのもよくある話なのです。

フカセマダイ

フカセマダイの魅力

以前はマダイをフカセで狙うのはハードルが高かったのですが、瀬戸内の小豆島、広島湾、下津井などでは春から初夏にかけてはかなり高確率で釣れています。マキエを撒いていると足元まで寄ってくることもあるほどで、しかもそれが食ってくることもあります。

フカセで狙う魅力はデカいのが狙えることと、その引きの強さでしょう。チヌ竿の0号クラスを使っていると、限界まで曲げ込んでくれます。しかし、根に走る魚ではないので、強引なやり取りをしなければ取り込める確率は高いといえます。パワーファイトをじっくり楽しめます。

ルアー派はショアラバ

ルアーのみで誘うので射程圏内にマダイが入るのを待ちながらの釣りになります。それでも、タイミングがよければ短時間で複数匹のマダイをゲットできることも多々あります。沖から手前までを素早く、くまなくチェックできるというのは、手返しのいいショアラバならではです。

マダイのショアラバ

ショアラバマダイの魅力

マダイは船から狙う魚という印象が強く、以前はオカッパリからルアーで狙うのは至難の業だと思われていました。しかし、ショアラバが広まってからは、マダイは意外に身近な釣り場にいて、タイミング次第では5mもないシャローに差してくることも分かってきました。

実際、香川県の高松近郊でもオカッパリでマダイが狙えるポイントは多数存在しており、厳寒期をのぞけばロングシーズン狙えます。ショアラバタックルを手に、釣り場の開拓を楽しめるのもこの釣りの魅力です。

マダイについて詳しく知ろう!

一度は釣ってみたい魚の王様

赤くきれいな魚体とクセのない食味のよさから、古くから祝いごとや祭りごとに欠かせない魚とされてきたので、釣りをしない人でもマダイの認知度は高いと言えます。江戸時代には将軍の朝昼夕の3食にマダイが出され、明治以降もマダイの需要は高かったそうです。そのため漁獲量は緩やかに減少し続けていたのですが、昭和40年代からは種苗生産(養殖)と放流が行われるようになりました。

釣る、食べるだけでなく、育てる。マダイと人との関係は非常に長く、深いのです。前述した食味に加え、姿がよくて、釣趣も抜群! 三拍子揃ったマダイは、釣り人ならば1度は手にしてみたい「魚の王様」なのです。

こちらは似た魚体のチヌの尾ビレ。マダイと比べて丸みがあって短い。

回遊するから広範囲で釣れる

周囲の水深が5m前後の波止から釣れたかと思えば、水深50mを超えるような沖の船釣りでもマダイは釣れます。しかも大小さまざま。これはマダイが季節的な移動を繰り返しているからです。

マダイの寿命は通常で25年といわれています。卵からふ化して約60日で5㎝程度まで大きくなり、季節的な深浅移動を繰り返しながら25㎝を超えると成魚となります。その後も深浅移動を繰り返して成長し続け、なかには1mを超えるまでになる個体もいます。これがいわゆる憧れの「メーター級」です。

ちなみに1歳で8~17㎝、3歳で21~31㎝、5歳で28~43㎝になるというデータがありますので、メーター級となると相当に長く生きている個体と言えます。

といっても成長スピードは個体差はもちろん海域によっても差があります。海域でいけば、九州、瀬戸内海、太平洋沿岸は早めで、日本海沿岸では遅いというデータがあります。

また地着型より回遊型のほうが成長は早いとされています。ここに個体差が加わってくるので、必ずしもサイズと年齢は合致しないと言われています。

成長しながら季節的な深浅移動を繰り返して、やがて水深100mを超える水深の場所にも生息するようになります。ただずっとそこにいるわけではなく、産卵活動などで産卵に適した浅場へと回遊してきます。

この時期はまさにオカッパリから狙える絶好のタイミングです。マダイが射程圏内に入ってくるのです。瀬戸内の各所では4月ごろから磯や波止でのフカセ釣り、ショアラバを含めたルアーでマダイの釣果が上がるようになります。

浅い場所と深い場所を移動しながら成長する。

マダイの行動パターン
マダイの乗っ込みパターン

水温が12℃を超えると動きが活発になるとされ、15℃を超えると産卵のために沿岸の浅場へ入ってきます。「のぼり鯛」「乗っ込みマダイ」と呼ばれるのがこの時期です

エサでもルアーでも釣れる

マダイは幼魚のころはアミなど小型甲殻類をメインに食べますが、大きくなるにつれてカニやエビなどの甲殻類も食べるようになります。成魚になると、イワシなどの小魚やイカ類、多毛類、海藻まで食性は広がります。

もっと成長すると、さらに雑食性が強くなります。基本的には身近にたくさんあってとりやすいエサを食べるのですが、小さいヒトデやフジツボなどの貝類をたらふく食べていることもあります。魚の中でもかなりの雑食といえるでしょう。この食性のおかげでエサでもルアーでも釣れるのです。

嗅覚がすぐれているため、エサの匂いには敏感です。マキエに使う配合エサやオキアミは匂いが強いので、潮に乗って流れると、かなり潮下からもその匂いをたどってマダイはやってきます。

ジグで釣れたマダイ

強い歯とアゴの力で少々硬いものもかみ砕いてしまいます

フカセで釣ったマダイが吐き出したエサ。カニ、オキアミ、マキエのコーンなどが出てきました

マダイの嗅覚はどのくらい優れている?

魚も匂いを感知してエサを探しています。目の前にある「鼻孔」の中には「嗅板」という組織があり、この数(枚数)が多いほど、匂いに敏感と言われています。

マダイは40~50で、チヌと同等の嗅覚。メイタガレイやメバルは15前後なので、3倍以上の嗅覚というわけです。遠くから潮に乗って漂うマキエに反応しやすいのもうなずけます。

ちなみに近場で釣れる魚ではアナゴやウナギがダントツの嗅覚を持っています。嗅板の数が120前後もあるのです。夜行性のアナゴやウナギは、すぐれた嗅覚によって暗いなかでもエサを察知できるのです。

魚の嗅覚を比較すると、ウナギ・アナゴ>マダイ・チヌ>メイタガレイ・メバル と言った順になります。

マダイ以上の嗅覚を持つアナゴ。夜ならマキエに集まってきそうですね
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