小魚やアミといったエサが豊富になる春は、メバルを狙うには絶好のシーズン。メバルが釣れるフィールドは波止や岸壁、磯など多岐にわたるが、なかでもアングラーが少なくアベレージサイズがいいのがサーフ(砂浜)なのです。ここでは、思わぬ大釣りも可能なサーフメバリングについて紹介します。
サーフメバリングがオススメな理由
春のサーフはエサとなるハク(ボラの稚魚)やシラスなどの小魚、アミなどの小型の甲殻類(プランクトン)が豊富で、ヒットするメバルの型がいいのが特徴です。いいときには20cmオーバーが連発! ということもめずらしくありません。
それに波止のように混み合うことが少ないので、ストレスなく釣りを楽しめます。狙いたいポイントを自由にチェックできるので、快適に釣りが楽しめるのも魅力です。
サーフで使用するリグ フロートリグが大活躍
サーフでは遠いポイントの浅いタナもスローに探れるフロートリグが活躍します。ライトゲーム用のフロートでもいいのですが、フロートの代わりに電気ウキもおすすめです。その理由はずばり、飛距離と視認性です。
一部のアイテムを除き、一般的なライトゲーム用フロートはウエイトが軽いものが多く、天候やフィールドによっては飛距離に物足りなさを感じる場面があります。例えば、釣研の電気ウキ『LFスマートカン付』は、浮力0号で17g、Bで16.5gとフロートとしてはヘビー級。使用できる(キャストできる)タックルは限られるのの、圧倒的な飛距離ではるか沖のポイントへ軽量のジグヘッドを運ぶことができます。
また、電気ウキなので電池を入れれば当然光ります。潮の流れはもちろんのこと、着水点や今どの辺りを引いているのかも一目瞭然。周囲に常夜灯のない真っ暗なサーフや磯では特に活躍します。
ただ、ウキが大きく重いぶん、リトリーブ時に発生する波動や着水音によってメバルにプレッシャーを与えやすいのが難点。キャストコースをこまめに変えたり、ワームのサイズやカラーをローテーションしてスレを防ぐことが大切です。
一般的なフロートリグよりも飛距離が稼げて、着水点やトレース位置が把握しやすいのがメリット。また、潮流の向きや速さも確認しやすい
サーフでおすすめのタックル
ロッド&リール
使用するフロート(電気ウキ)が重いため、ロッドは20g前後のルアーも扱えるフロートリグ専用モデルがおすすめです。私は長さが9.3フィート、適合ルアーウエイトが1.5~20gの対大型メバル用ロッドを使っています。エギングロッドを流用することも可能ですが、ティップ部の張りがあるのでどうしても食い込みは劣ってしまいます。リールはライトゲームに対応した小型スピニングリールで問題ありません。ドラグ性能に優れたタイプだと安心です。
メインライン
感度や飛距離を考慮すると、ラインはPE一択です。一般的なメバリングでは0.3号や0.4号が主流ですが、キャスト切れを防ぐためにやや太めの0.6号(150m)もおすすめです
リーダー
リーダーは太さの違う2種類を結束して使います。フロート(ウキ)が通るメインライン側にやや太めのフロロカーボン2~2.5号(リーダー1)を使い、その先のジグヘッド側には食わせを重視して細めのフロロカーボン0.8~1.5号(リーダー2)を使います。※詳しくはタックル図参照。
フロート(ウキ)
おすすめのひとつ、釣研の電気ウキ『LFスマートカン付』。これ以外の電気ウキを使ってもいいです。ただ、発光色については魚が認識しにくい赤がおすすめです。浮力は0号とBを準備し、表層を探りたいときはB、深いレンジを探りたいときは0号というように使い分けるといいです。
それほど飛距離はいらないという場面では、ガルツ『Bakyuun』やハピソン『かっ飛びボール』を使うこともあります。前者は化学発光体をセット、後者は電池で発光するライトゲーム用のフロートです
パーツ類
フカセ釣り用の遊動ホルダー(釣研『XスナップⅡ』の2-1-2など)を介してウキをセットします。
カン付ウキとホルダーを使うのは、ラインを切ることなくウキが交換できて、リーダーのライン絡みが少なくなるからです。交換が手間でなければ、中通しタイプのウキを使ってもいいでしょう。
リーダー1とリーダー2はタイラバ用の『マジカル接続パーツ』などを使って結束します(樹脂製のサルカンなどでもOK)。金属製のサルカンを使うとカンの根元にリーダーが食い込むことがあり、それが原因でヨレが入ってライントラブルが多発してしまいます。金属製のサルカンを使用する場合は極小サイズがおすすめです。
ジグヘッド&ワーム
ジグヘッドは0.2~1gを状況に合わせて使い分けましょう。ワームは1.5~3インチ前後のストレートやピンテールを使うといいです
タックル図(例)
ジグヘッド側のリーダー(リーダー2)は約1.5mと長めに取るといいでしょう。これはワームをナチュラルに漂わせ、メバルの食いを妨げないようにするためです
釣り場について
釣れるサーフの見つけ方
潮通し・障害物・ベイトの3つをキーポイントに釣り場を選んでいます。
まずは潮通し。メバルに限らずどんな魚においても、流れがどんよりしている場所よりも軽快に流れているほうが数もサイズも期待できます。
次に障害物。カケアガリやシモリ、海藻帯などの地形変化に富んだサーフが狙い目となります。海底だけではなく、磯が隣接していたり、沖に消波ブロック帯があるところも有望です。事前に日中(干潮時がおすすめ)に下見をしておくとベストです。
最後にエサとなるベイトの存在。私が通うサーフでは、この時期のメインベイトはアミとバチ(多毛類)になります。他にもイカナゴやハクといったエサとなる生物が多くいる場所は一級ポイントになります。
一見すると何の変哲もないサーフが、実はメバルの好ポイントだったりします。
釣り場に入るタイミング
メバルがよく釣れるタイミングは釣り場ごとに異なり、同じ場所でも地形の変化などによって変わることがあります。やはり、同じ釣り場に通って、ヒットしやすい傾向を掴むことが釣果を伸ばすコツとなります。
ちなみに香川県の高松~東かがわにかけてのサーフでは、満潮前後の潮位が高いときにヒットが集中する傾向にあります。
基本的な釣り方
フルキャストで沖からチェック
ジグヘッド単体の釣りであれば場荒れしないように手前から釣っていくのがセオリーですが、このリグの場合は着水音で警戒心を与えてしまう可能性があるのでフルキャストして沖からチェックします。私の経験上、沖から攻めたからといって、その後メバルが釣れなくなったということはありません(本来釣れたであろうメバルを釣り逃している可能性は少なからずありますが……)。
もし、カケアガリなどのメバルが着くポイントが手前にあるなら、斜め横方向にキャストしてやることで沖のポイントをフレッシュな状態で残しておくことができます。
表層をスローリトリーブで探る
活性の高いメバルから釣っていきたいので、まずはフローティングタイプとなるBのウキ(ジグヘッドは0・2g前後)をセットし、表層付近からチェックします。
アクションはジグヘッドリグと同じでスローなタダ巻きが基本となります。できる限りワームをナチュラルに漂わせたいので、ロッドの反発力によってウキが引っ張られるのと同じくらいのスピードでリトリーブします。
リグが遊動式のため、ラインテンションを緩めてワームをナチュラルに沈めたり潮に乗せて流すことも可能です。メバルの食いが渋いときに効果的ですよ
リトリーブが速すぎると、ウキが暴れてヒット率が下がるので注意が必要。
アタリ~取り込み
メバルの活性が高いとき、アタリは手元に明確に伝わります。アタリがあれば、スイープにアワセを入れてフッキングに持ち込みます。アワセが決まると、メバルは根や海藻帯などの障害物に向かって突っ込みます。大型になればなるほどそのスピードとパワーが強烈なので、主導権を与えないようにゴリ巻きで一気に寄せます。取り込みはサーフにズリ上げてフィニッシュです!
水深が浅いサーフでは、メバルは横方向に走ります。主導権を与えないように、多少強引なファイトが必要になることもあります
釣果アップのコツ
ワームのカラーローテーション
まずはクリア系やブラックといった地味なカラーから投入し、ソリッドやチャートを経てケイムラやグローというように徐々にアピール力を上げていきます。
逆にアピール系のカラーから入れてしまうと、最初の1匹だけで終了、釣れても2匹までとヒット率がグンと下がってしまいます。徐々にアピール力を上げていくカラーローテーションを心がけましょう。
左からクリア&ブラック、ソリッド&チャート、グロー&ケイムラ。アピール力の弱いカラーから投入するのが基本です。
表層でアタらないときの対処法
浮力Bのウキでポイント一帯の表層を探り終えたら、高活性なメバルを求めて次のサーフに移動するといいでしょう。
もし、時間的な都合などで移動できない場合は、0号のウキにチェンジして下のレンジを探ってみましょう。その際、ジグヘッドのウエイトを調整しながら探るレンジを変えていきます。
トラブルを回避して手返しよく釣る
釣行時間が長くなればなるほど、リーダーにヨレが入り、それが原因でライントラブルが増えます。ヨレた箇所をカットして結び直したり、リーダーを新しいものに交換することでトラブルは極力抑えられますが、どうしてもリーダーが絡む場合は短めにします。
トラブルの頻度に応じて1.2m、1m、80cmと調整します。
サーフメバリングでは良型の数釣りも期待できます。ぜひチャレンジしてみてください。