私の釣りの先生/大知 昭さん

釣りぽ編集部制作の記事です。※一部執筆記事もあり(本文最後に報告者を記載)。

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誰にでも「初めて」があります。いまは釣りに熟練した人にも、釣りをはじめるきっかけがあったはず。達人やエキスパートと呼ばれる方々に、釣りを教えてくれた恩人への思いを語ってもらいました。

(おおち あきら)チヌフカセ釣り名人。シマノ、マルキユーアドバイザー、金龍鉤スペシャルスタッフ

自分のチヌ釣りの原点は兄との遊びだった

—–大知 昭さんの「釣りの先生」大知 英夫さん(大知3兄弟の長兄。大知渡船、釣りショップアクアを営むなど、昭さんの釣りを陰で支えた

最初にチヌを釣らせてくれたのも、チヌ釣りがおもしろいものだと教えてくれたのも、兄貴だったね。もしあのときチヌを釣りを体験していなかったら、いまはどうなっていたんだろうと思うこともあるよ。そのくらい大切な思い出かな。

子どものころからチヌは身近な魚だったけど、なかなか釣れないから、「一度は釣ってみたい憧れの魚」だったんだよ。でもどこでどうやって釣ったらいいかなんて分からないから、縁遠い魚とも思ってた。

兄貴は幼少時から海遊びが得意で、自作の竹竿でチヌを釣っててね。いいな〜と思ってた。で、自分と弟の豊が大きくなると、一緒に海に出かけて釣りを教えてくれるようになった。このとき、チヌを釣らせてくれたよ。

竿は竹竿、エサは干潟で掘ってきたホンムシ。時間は夜。釣り場は近所の港だったね。当時(60年以上前)は生ゴミの捨て場が港の一角にあったんだけど、生ゴミが海にこぼれ落ちるとチヌが食べに集まってきたんだよ。

実はそのことは知ってたんだけど、昼間はどうやっても釣れないどころか、人影が海面にさすだけでチヌはさっと逃げた。夜だって簡単には釣れないもんだと思ってたね。

ところが、夜はあっさり釣れた。人影が海面に映らないし、チヌも警戒心が緩んでいたからだろうね。35cmくらいだったと思うけど、強い引きだったのを覚えてるし、すごくうれしかったことも覚えているよ。

そこからチヌ釣りが楽しくなって、昼間もチヌに気配を感づかれないよう、身を隠してそっと仕掛けを海に入れて釣ってたね。このころに、チヌは波止や岩場に居着くとか、雑食だとか、習性を学ぶことができたんだよ。ここで学んだことが、後々自分の人生に大きく関わってくるなんて思ってもなかったけどね。兄貴には感謝してもしきれないな。

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