スローフォールにチヌが連続ヒット
弁天島の西側にある磯場で釣り開始。
内海さんは友人にこの釣り場の情報を聞いて、おおまかな水深や狙うべき距離は頭に入っているとのこと。
「遠投しなくてもよくて、10〜15m沖で、竿1本ちょっとのタナで食ってくることが多いそうです」
と言いながらセットした全遊動仕掛けで15m沖から狙っていく。
潮は左へゆっくりと流れている。表層にはサヨリの群れがいて、その下でフグがサシエを食ってくるという。それを突破するとベラ。魚の活性は悪くないものの、チヌの動きだけがまだ鈍いようだ。
開始から20分ほど経過したときに、少しだけ潮の動きが速くなった。
表層のサヨリは相変わらずで、底までサシエを入れるとやはりべラが食うが、フグがおとなしくなった。
このタイミングで中層でヒット! 上がってきたのはチヌではなく小型のマダイだった。
ここで内海さんはハリスのガン玉を外し、完全フカセでサシエのオキアミをゆっくりと沈めはじめた。マダイのヒットから、サヨリの下、ベラの上=中層にチヌがいると推測したのだ。
「いましたね〜。食ってくれましたよ」
狙い通りにヒットしたのは35㎝ほどのチヌ! アタリはさほど大きくなかったが、しっかり食い込ませてハリ掛かりさせた。
このオキアミのスローフォールが効果的で、内海さんはチヌを立て続けにヒットさせた!
釣り場の情報を聞いていたとはいえ、すぐさまアジャストして結果につなげるのは、いろんな場所でチヌを狙ってきた豊富な経験があってのことだろう。
また連続ヒットは、内海さんが手返しよく攻めた結果でもある。このあと下げ潮になると強烈な2枚潮で釣りづらくなると聞いていたからだ。
このあとは予想通りに強烈な2枚潮となったが、内海さんは仕掛けがなじむ場所を計算して潮上に投入。うまくマキエに合わせてチヌを追加した。
「2ケタいけませんでしたね〜。でもこの状態でこれだけ釣れるのは魚影が濃い証拠ですね。バンバン食うときにもう1回来てみたいです」
と、納竿後の内海さん。
この日は、チヌの活性は高かったが、エサ盗りの活性がさらに高く、数も多かった。そんな状況の中でも仕掛けやエサを工夫することでチヌを釣り上げることができるのだ。