【第7回 旅釣り】多度津・多度津内港「Bait ball」ひとつテンヤ/多度津市(香川県)

(しなかわ たまき)初めて瀬戸内で船釣りをした日から13年。仕事柄、東京と広島を行き来しています。生餌の宝庫で常に疑似餌を追求する瀬戸内の釣人のスピリットに感動。サビキ、チョグリ、鯛ラバ、ダマシetc。島の民宿の2階で海見て珈琲飲みながらレポ打つのが好きです。モデルになってくださいね。東京・品川/広島・呉 しなかわ環

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真鯛が再び美味な季節に。春は桜、夏は麦藁、秋は紅葉・・誰が言ったか、言葉の中に季節が生きている。本土直撃の台風が行ってしまえば本格的な秋、2か月おくれともひと月遅れとも言われる海の中も秋本番になると思う。

今回は、香川県多度津内港から出ている「Baitball」さんがひとつテンヤ始めたと言うので行ってきました。

ひとつテンヤはとある有名釣全国誌の元編集長が千葉県大原町の釣船さんと共同開発したものと言われ、シロギス用船竿を長くしたものに軽いカブラとエビを付けたものに、PEライン0.6号程度の細ラインを付けて釣る釣り方。

ひとつテンヤのテンヤとは、江戸時代の「店家」を語源として、あのソロバン玉を半分にした様な台形の親指の頭程の錘は型を作って抜いたものらしいです。お店と住居が一緒で「店家」、針と錘がひとつになったものを「てんや」と呼んだんだそう。量産もできるわけですねえ。

逆にカブラというのは一個づつ叩いてつくったらしいです。作り手の叩き方によってエビがすうっと落ちるのを演出できるらしく、良いカブラはよく食うんだそうな。

千葉県大原から西へ来た釣り方だが、なにせ生きエビがかなりの確率で手に入る瀬戸内海ではエサに困る事は無い様だし、生きエビの効果は圧倒的なものがある。そこで、「こりゃあ、一回やってみるか」となりました。

9月15日は御客さん4人とBaitballの女性スタッフ2人と朝6時に出船。前日迄のカンカン照りがうその様で、関東に向かった台風の影響か、曇りとやや風があり釣り易い状況でスタートしました。

Baitball船上
秋ですなぁ

マダイでも底物でも青物でもまず1枚画撮りを! 他力本願ですが、私としてはひとつテンヤがやはり自信がないのだ。はやく誰か釣って……。

「よしっ!」、いくつかの流しの後、左ミヨシの若い方のロッドが曲がった、時々、ズンズンと水面に突っ込む引きを見て、「アコウかもな」っと船長。アコウでいい! 女性スタッフのタモに入ったのは45cm近いアコウ! 晩夏・初秋であれば送料込み生けで渋沢栄一さん1枚では手に入らない高級魚。

ひとつテンヤを始めたばかりと言っても田口船長いい所を流しているんだろう。東を向きながら実にマメに流替えしている。ショウサイフグは良型、イネゴチも良型が上がっている。

ひとつテンヤでアコウ
口開けのアコウ 高級魚です

「今度は本命かも」と、朝から最大数のヒットを続けていた右ミヨシ氏が慎重にヤリトリ。船中注目の中、上がってきたのは鯛だっ! 50cm超の美しい真鯛。そろそろ口を使い出したな。

続けて左胴の間の若いベテランさんにヒット。上がってきたのは、これも美しい50cm級の真鯛。麦藁と言われる夏の時季の真鯛とはくらべものにならない位肉厚で幅のある魚体。朝に比べてアタリは多くなって、トモで大事に生かされている芝エビを獲りに来る面子も頻繁になった。

多度津 ベイトボール マダイ
この日釣果をひっぱってくれました! 竿頭 お見事 
Baitballでマダイヒット
これです秋の肉厚 真鯛 

エビラバスタート

さてここで私も竿を出させてもらう事にしました。あらかじめエビラバでやらせて頂きたい旨を船長にお願いしていたので、80gのヘッドに使い慣れた瀬戸内オレンジのネクタイでスタート。三本針に小型のエビを付けて釣り開始。

エビラバセット
エビラバセット例 これで53cm真鯛です

着底して意識的にタナを上げずに巻き上げる。理由は無いけど、「これでなんとなくフグを避けられるのでは」とも思ったのでやってみたが……、1投目からバンバンアタリが出る。1投1発で芝エビが頭を取られている。

海老ラバ……、「亜流は1日せいぜいエビ3匹もあれば大丈夫だろう」なんて思っていたが、そんなことはない。恐ろしい程アタるのだ。ショウサイフグやイネゴチはエビエサを獲るのが下手なのだろうか、デカいショウサイフグ、サバフグ、イネゴチ50cm近くが上がったがマダイのアタリ、正直わからない。左胴の間氏、右ミヨシ氏がそれぞれ40cm超のマダイを上げたところで、残り60分程となった。

ひとつテンヤで釣ったマダイ
もう1枚来て竿頭2人でした! お見事

なんとかしないとボウズだなぁ……、そうだエビの頭にも針を刺すんだ! YouTubeでもそうやっていました。丁寧に尾っぽから抜いて一番先端の針をエビの脳天を避けて背に抜いた。時間的に芝エビは死んではいるのだが、底を取って速めに5巻きしたところでズシンと竿が入った後、ゴツンゴツンゴツンと首を振る。

船長がブリッジから顔を出して「タイだ、ゆっくりやって……」。大緊張! 竿先を送らず両軸リールのドラグが忠実に働くが、浅場なので水圧変化で相手が弱るのはあまり期待できない。長い時間が流れた様だが本当は数分? 船下から白い影、想像よりでかい。女性スタッフのタモが一発入って、ドンとデッキに踊ったのは53cm、⒉3㎏の良型マダイ。芝エビのついた針は、しっかり厚い口にかかっておりました。

エビラバで釣ったマダイ
筆者 エビラバの1枚! 秋、肉厚

「食いが立っている」と左ミヨシの口開けアコウ氏が当てて、間違いなくマダイというヤリトリをするも残念逃げられた。ラスト近場の浅場に移動して続けてアタリが出るもゲットのない中、女性スタッフが55cm超級のチヌ(クロダイ)を上げ、「秋のチヌは締め方次第で美味」と羨ましがられた次第。

Baitballで釣ったチヌ
女性スタッフの黒鯛で締めでした! 冬に向けて美味

Baitballのひとつテンヤは、まだまだこれから伸びていく釣りもの。釣れた魚を女性スタッフが締めて下氷してくれる細やかなサービスを含めて、年末年始の睨みタイ狙いにおススメの船ですね。

Baitball女性スタッフ
女性スタッフ活躍中
締めて下氷。きめ細かい釣果のアフターありの「Baitball」

港近くのうどんやさん

さて、旅釣り7回目のうどん県香川県は、どの駅で降りてもいいうどんやさんがあります。Baitballさんの船着き場から徒歩2分、朝6時から15時迄やっている「こがね製麺所(多度津店)」。帰港時にのれん迄わずかに時間があり立ち寄りました。

ぶっかけにエビ天のせて頂いてきました。美味い、美味い。多度津駅から徒歩15分、是非釣りと一緒にどうぞ。

こがね製麺所のうどん
うどん県香川 こがね製麺所
こがね製麺所 多度津店
Baitball 近くです

《釣行メモ》

利用遊漁船 Baitball
釣行日 2024年9月15日
潮汐 中潮
 満潮  08時33分
 干潮  14時59分
(多度津)

《使用タックル》

竿 小継金剛 1.86m(櫻井釣漁具
リール 23アドミラ 100XH(ダイワ
ライン シグロン 0.8号(サンライン
エビラバ 2step TG80g(START
ダイワ(DAIWA) 両軸リール 23アドミラ 100XH

ダイワ(DAIWA) 両軸リール 23アドミラ 100XH

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