【第4回 旅釣り】「東京・雑色、ミナミ釣船 夜アナゴ&カサゴ」/東京 大田区南六郷

(しなかわ たまき)初めて瀬戸内で船釣りをした日から13年。仕事柄、東京と広島を行き来しています。生餌の宝庫で常に疑似餌を追求する瀬戸内の釣人のスピリットに感動。サビキ、チョグリ、鯛ラバ、ダマシetc。島の民宿の2階で海見て珈琲飲みながらレポ打つのが好きです。モデルになってくださいね。東京・品川/広島・呉 しなかわ環

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仕事とは言え新幹線の3時間強というのは少々遠いなあ。でもその街にはわたくしが昔、そう小学校に入って間もない時分に週末に縁日を見に行った記憶のある街であり、その街は眠らない、いつもどこからか人が来て賑わう活気にあふれているのは今も変わらない。

週末にかかった仕事が午前中に終わると、ホテルのある京浜急行の沿線で昼食。立会川駅とモノレール大井競馬場前駅の丁度中間にある「先勝」。大井競馬場に来る競馬ファンを中心に験担ぎからついた店名とお見受けするが半チャンラーメンがここにもある。

「先勝」((03-3768-5521) 立会川から徒歩8分

半チャンラーメンはご存じの様に東京神田神保町のラーメン店「さぶちゃんが」お客さんのリクエストの多さから昭和40年代に開発したメニュー。令和の今では全国どこにでもある定番メニューなのだが、「先勝」のそれは本当に気合が入っている。出汁の利いた堅めの縮れ麺、1個だけのナルト、そして程よい堅さのチャーハンも東京ラーメンの出汁のうまみを消さないパートナーとしての役割を忘れさせない柔らかな味。

この日は生野菜も食べたくてセロリのサラダも頼んだ・・いやぁ「先勝」な味、うまい。昭和、平成を戦い続けた「おとな」が静かに唸る味、是非東京出張の折にはどうぞ。

半チャンラーメン美味 満足できる味

さて「先勝」のある立会川から京浜急行で12分。雑色駅でおりて水門通り商店街を抜けると突き当りの六郷水門から「ミナミ釣船」は出ている。

5月11日は日中吹きすさんだ南風がさらに強まる予報で、「夜アナゴの大場所の千葉県木更津沖には行けない」と足立船長。大アナゴが出るという羽田沖で少々流してから夜カサゴをやるとの事。

夜アナゴは、2月下旬から長いシーズンは7月の頭まで夜釣りで狙う東京湾の風物詩で、昔は皆手バネ竿でやった。この乗合船の特徴は大体の船が船上で釣れたアナゴをさばいて中骨含めてお客ひとりひとりに渡してくれる事であり、これを家に持って帰って塩水で洗ってから白焼きにする。これがうまいのだ。

東京湾の多くの船はアナゴを捌いてくれます

夜カサゴも乗合船のメニューで18cm程の「口ばかり」と悪口を叩かれる黒っぽい色のカサゴが釣れる。これは捌いてくれないが、船上で身欠いてから自宅で3枚におろし白身は刺身、頭は熱湯をかけ味噌をひとさじ入れれば十分な肴に変身する。塩焼きでも行ける。

と、下船後の料理うんちくを考えいる内に釣り場についた。

羽田空港第二滑走路沖 東京の夜は世界一美しい

羽田空港の第二滑走路前、水深12~13mと夜アナゴにしては深い砂泥地。

「当たったらタモを呼んでください、宝くじみたいな確率ですがデカいのが時々出る所です…」との説明。南西風が城ヶ島で16mと言っている日のとっておき場所にしては、なかなかエンターテイメントに富んだ場所じゃないか、とわくわくしながら1/16の確率に賭ける。

「いま一本あがりました、皆さんに見て頂きます……」と裁く前に息子船長が持って回った太いアナゴは本当に凄い、まぁ木更津にはいないな、これで白焼き4人前とか6人前は十分取れるとか。

太いアナゴ この日船中で一本

来てくれ大アナゴ……。20時迄頑張ったが追加なく、夜カサゴへ移動。仕掛けも提供、竿も貸してくれるとの事だったが自前のアナゴ専用竿でやってみる事にした。

胴突き二本針に青虫一匹掛け10号のナス型オモリ。水深は15m程か。

隣で、堂の間でぽつぽつと上がる。茶色いカサゴだが痩せてはいない。刺身にしても焚いても旨そうだ。

コツンと漁礁にオモリが落ちた次に「ビビビッ」と来て「ズン」と入った。竿を立てて巻き上げるとクククッと引く、船の照明の中に大きく口を開けたカサゴ。

続けて入れてまたカサゴ。どんどん釣れるが風の関係で船が流されてピタリとアタリが止まる。それでも5匹ばかり釣りあげた。

カサゴ 「口ばかり」だけど肉厚美味

沖上がりまで残り30分程、あらかじめ用意してきた小出刃とこけ引き(ウロコ取り)で中型1匹を身欠く(さばく)。

残りをお隣さんに進呈して保冷バックに保冷剤1個入りを持ってきていたので包んでお裾分け。船のキャビンは大きく薄く明かりも点いているので、電車に乗れる恰好に着替えてから下船。

雑色駅からホテルまで15分、途中Lawsonで総菜用煮卵の2個入りと人差し指程の醤油とミニラップ、電子レンジ対応の紙製使い捨ての御椀を購入。ホテルに帰って、ひと風呂浴びてから煮卵汁と醤油でたれを作り身欠いたカサゴを水道水で良く洗って入れてラップをしてロビー奥の電レンジで700Wで12分。できたぁ。

枝豆、カサゴと煮卵の炊き。

ビジホのレンジで完成 乾杯

カットレタス。缶ビール。乾杯。現地調達ほとんどすべてで出来たカサゴ炊きは肉厚の白身が弾けるようできわめて美味だった。旅釣り。

リーズナブルに東京の良さを楽しむのも「大人の」たしなみ、ではないでしょうか。あなたも是非。

《釣行メモ》

釣行日 2024年5月11日
潮汐 中潮
 満潮  19時53分
 干潮  12時55分
(東京)
渡船 ミナミ釣船
京浜急行 雑色駅下車徒歩8分の水門公園より出船

《使用タックル》

竿 東京湾遊漁船組合特注super edition 1.35m
リール ABU
道糸  PEライン シグロン1.0号(サンライン)
オモリ  夜アナゴ/釣鐘25号、夜カサゴ/ナス型かホゴ 10号
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