フカセ釣りでウキの下にセットするサポートアイテムが『ナビ』や『ストッパー』と呼ばれる小さなパーツ。その役割や種類、使い分けを広島のチヌ釣りエキスパート・水野渉さんが紹介してくれた。
水野 渉(みずの わたる)
ガルツテクニカルスタッフ、サンラインフィールドテスター
呼び名がいろいろ?
フカセ釣りには欠かすことのできない、ウキの下にセットする1〜3㎝の小さなパーツ。「ナビ」「目印」「ウキ止め」「ストッパー」「ゴム管」(もっとあると思います)などなど、釣り人によって呼称がさまざま。
それは(釣り人それぞれが)このパーツに持たせたい役割が違うので、選ぶものも違うからだろうと考えています。
私が愛用するガルツ製品にもこれらのパーツがラインナップされています。形状、大きさ、重さ、カラーとたくさんの種類があり、「仕掛けパーツ」という総称でカテゴリ分けされています。
ここでは分かりやすく「仕掛けパーツ」と呼称し、基本的な3つの役割をご紹介しましょう。
水野さんが愛用する5つの仕掛けパーツ(いずれもガルツ)。左から『スティックマーカーミニ』『スティックマーカー』『ウエイトマーカー』『GPC』『GPS』
セット方法
種類はたくさんあるものの、仕掛けパーツが3つの部品で構成されている下の写真のうようなものなら、セットの仕方は基本的に同じ。3つのパーツを順にセットするだけです。
たとえば下の写真の『スティックマーカー』なら、ウキに道糸を通し、写真のように1、2を順に通して、最後に3をセットするだけです。
紹介している5つの中では右端の『GPS』だけ少し特殊。道糸に通したあと、道糸とハリスが直結なら『GPSロック』で止めるか、サルカンを使っているならサルカンを差し込んで固定します。
役割1 ウキを止める(守る)
役割として一番多いのはこれでしょう。フカセ仕掛けは中通しウキ(環付きも同じ)に道糸を通して、ハリスと結びます(直結かサルカン)が、このときウキの下に「仕掛けパーツ」をセットします。
これで確実にウキが「仕掛けパーツ」で止まってくれます。「ウキ止め」「ストッパー」と呼ばれるのは、このためだと思われます。
これがないと、ウキの穴径が大きいと道糸とハリスの直結ではすり抜けることがあり、たとえ結束にサルカンを使っていても、根掛かりやバラシでラインブレイクして道糸側で切れると、ウキのロストにつながります。
ウキの力を最大限に発揮させる、まさに名バイプレイヤーです。
役割2 仕掛けをタナに送り込む
仕掛けパーツに潮を受けさせて狙いのタナへとサシエを送り込みます。タナまでハリスとサシエをナビしてくれることから、「潮受け」または「ナビ」と呼ばれるのだと推測します。
ガルツ製品の中では、上が広くて下が狭いラッパ状の『GPC』の潮受けがよく、私は仕掛けをスムーズに入れ込んでいくときに使っています。
また深い場所を狙う、仕掛けの沈みを速めたい、潮に負けないようにしたいときは、ウエイトがセットになった『GPS』という製品や、ウエイトの調整が可能な『ウエイトマーカー』という製品を状況に応じて使い分けています。
役割3 目印にする
近距離や瀬際などで比較的浅いタナを釣るときに、視認性の良いパーツは仕掛けの動きを確認するのと、アタリをとるための目印になってくれます。
仕掛け投入後、「目印」がウキから離れていけば仕掛けが入っているか分かりますし、沈んでいくスピードが速まる、逆に止まるなどしたら魚が食ったことを教えてくれます。
こういう場合は見えやすさ重視なので、大きさとカラーが重要です。
私は『スティックマーカー』のイエローがよく見えるので使っていますが、もっと大きなものがよければ『GPC』がよいでしょうし、カラーも人によってはオレンジがよく見えるということもあるので、これは使い比べて見えやすいものを使うとよいでしょう。
3つの役割のうち、どこに重きを置くかで選ぶ大きさや形状が変わります。種類がたくさんあるのは、そのためといってよいでしょう。
自由に考え、使おう
今回は基本的な部分をご紹介しましたが、仕掛けパーツは慣れてくるとさまざまな考え方ができるようになります。
自作をされている方もいます。ある方の自作ナビは浮力を持たせ、サシエからハリスまでがなじみきったら沈んでいくという設定にされています。これでサシエを先行させてゆっくりタナを探るというのです。すごいですよね。
ひとまずいろいろ使ってみましょう。その効果を知ることが大切です。これからよい時期を迎えますので、ぜひ釣具店で見比べて選んで使ってみてください。フカセ釣りが楽しくなりますよ。