●主 催/マルキユー
●会 場/広島湾
●開催日/2018年5月19日、20日
2018年5月19日(土)、20日(日)に「2018 第5回 マルキユーM-1CUP 全国チヌ釣り選手権大会 決勝戦」が広島湾を会場に開催された。全国各地の予選を勝ち抜いた26名にシード選手3名をくわえた29名が栄冠を目指し釣技を競い合った。
1回戦・2回戦
19日は1回戦と2回戦が行われた。このところ好調が続いていた広島湾だったが、前日に大雨が降り、水温が急激に落ち、また当日は風が出て釣れにくい、釣りにくいという厳しい試合環境となった。
試合展開も驚きの連続。3連覇がかかる有本亮一選手が敗退、昨年シードの大知正人選手、岩成博司選手も予選で姿を消すという波乱。
そんななか、東北宮城の吉田享選手、沖縄の濱川翔伍選手、姫路の南谷猛選手というフレッシュな顔ぶれが勝ち上がりを見せ、木下慎也選手、波多江義孝選手、加藤和義選手(ワイルドカードで勝ち上がり)のベテランも奮闘。6名の選手が勝ち残り翌日へと駒を進めた。
準決勝
20日は前日より風は落ち着いたものの、釣りづらさは変わらず、チヌの活性が低い状況も変わらぬなか、準決勝がスタート。どこの対戦も白熱した展開が見られた。
大会役員の大知昭さんが
「これまでチヌ、広島湾の大会といえば中国エリアの選手が必ず決勝に姿を見せていたけど、もう現在はそうでないですね。これはレベルが全国的にチヌ釣りの技術は変わらないということだと思います」
と語ったのが象徴するかのように、決勝に駒を進めたのは、濱川選手、南谷選手、波多江選手の3選手。
決勝戦
誰が優勝するか予想できない緊張のなか、宮島の「中西バエ」で決勝スタート。
3ラウンド制で、1時間で釣り座交替となる。
チヌの活性が低い状況は変わらないが、先手をとったのは南谷選手。手前を狙って良型のチヌをキャッチした。そのまま第1ラウンドが終了し、南谷選手が一歩リード。
第2ラウンドには濱川選手が1匹キャッチ。波多江選手も1匹キャッチして3選手が匹数では横一列に並んだ。
運命の第3ラウンド。ここで濱川選手が2選手をリードする2匹目をキャッチした。濱川選手はGW中、沖縄から広島湾に練習に来ていたそうで、その努力が実を結んだといえる。
こうして試合が終了し、検量へ。匹数でリードした濱川選手の優勝と誰もが思っていたが、検量の結果は、濱川選手が2匹で970gに対し、南谷選手が1匹ながら990gをマーク!
南谷選手が見事優勝を勝ち取った。
この検量結果には大知昭さんも驚きながら、
「私もビックリな70g差でしたね。でもこれがチヌ釣り大会の怖いところです。濱川選手の2匹は少しやせていましたね。南谷選手の1匹はコンディションがよかった。また卵を持っているとか、マキエを多めに食っているとか、ちょっとのコンディションでひっくり返ることがあるんです」
と解説してくれた。
優勝した南谷選手は
「全然実感がないです。1匹でしたし、まさか優勝できるとは思っていなかったです。地元姫路でいつも釣りをお教えてくださるみなさんのおかげです」
とそう語ってくれた。
広島湾での釣りはあまり経験がなく、イメージは遠投の釣りだった。しかし準決勝までで「手前でも食う」というのを実感して、手前から丹念に攻めていくようにしていたという。
たしかに準決勝でもその試合展開で勝利を収めた。サシエは試合を通して練りエサ中心で、チヌも浮かないだろうと底に狙いを絞っていたそうだ。
次回から決勝大会は、大分鶴見へと移る。こちらもチヌの魚影が濃い場所。どんな闘いが見られるか楽しみである。
◎《大会結果》◎
優勝 南谷 猛 990g
2位 濱川 翔伍 920g
3位 波多江義孝 755g
(敬称略)