ちょい投げ用のオモリ よく飛んで絡みにくいオモリはこれだ!

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編集部スタッフが、釣りにまつわる疑問を「実験(ジッケン)&検証(ケンショウ)」する『ジッケンショー』。今回のテーマは、

【ちょい投げ釣りで使うオモリ「ジェット天秤」「L型天秤」「中通しオモリ丸型」「中通しオモリナツメ型」で一番飛ぶのはどれ? 仕掛けの絡みにくいオモリはどれ?】

軽いオモリ(天秤)とルアータックルを使う「ちょい投げ(釣り)」は、砂浜や波止、河口などで手軽に楽しめて釣果も期待できるので人気の釣り。

海底付近に生息するいろいろな魚が釣れますが、メインターゲットはやはりキス(シロギス)。ちょい投げでも群れに当たれば数釣りも楽しめます。

そんなちょい投げキスですが、使うオモリが人によってバラバラ。小型の『L型天秤』を使ったり、『ジェット天秤』ったり、『中通しオモリ』を愛用する人も。ちょい投げでキスを狙うときのオモリ(天秤)は何がいいの? 気になったのでジッケンしてみることに。

◇検証したのは編集部の「りょーた」と「テツ」の2人です。

 

比較したオモリはこちら

ジェット天秤

投げ釣りの定番、『ジェット天秤(富士工業)』。オモリにフロートが付いており、仕掛けが浮き上がりやすく根掛かりを回避しやすいのが特徴

小型L型天秤

本格的な投げ釣りで使われるL型天秤をそのまんまミニマムにしたちょい投げ用オモリ。魚が食いつくと脚がバネのようにしなり、元に戻ろうとする反発力でフッキングをサポートしてくれます

中通しオモリ(丸型、ナツメ(タル)型)

単価の安い中通しオモリは丸型(右)とナツメ型(左)の2種類を用意。ちょい投げで使われますが、仕掛けが絡みやすいという話をよく聞きます(今回はライン保護用のゴムを短くカットして検証しました)

飛距離をチェック

《検証方法》

○100mの巻尺を伸ばし、各オモリを5投ずつブン投げて平均飛距離を出します。あきらかなミスキャストはノーカウントとします

○4種類のオモリの号数は5号で統一

○仕掛けはセットせず、それぞれ5回ずつ投げて飛距離の平均を算出します

○使用タックル/タックルはエギング用を使用(ラインはPE1号+フロロリーダー4号)

ちょい投げによく使われるエギングタックルで検証
人気(ひとけ)のない広い砂浜で波打ち際に向けてキャスト。砂浜にスーツ姿でたたずむのは計測のサポートに引っ張りだされた先輩のテツさん

編集部のりょーたがキャスト。計測後はラインが傷まないようにラインを巻きつつ歩いて回収。そして小走りで元の位置まで戻ります

どのオモリが一番飛んだか? 計測結果

ひたすらブン投げ続けること1時間、すべての計測が終了。

結果はこちら

L型天秤

1投目2投目3投目4投目5投目平均
65.0m65.8m65.1m64.3m65.2m65.1m

ジェット天秤

1投目2投目3投目4投目5投目平均
65.7m71.0m64.9m69.5m64.6m67.1m

中通しオモリ(ナツメ型)

1投目2投目3投目4投目5投目平均
73.0m72.0m72.2m73.8m72.1m72.6m

中通しオモリ(丸型)

1投目2投目3投目4投目5投目平均
69.3m69.2m70.1m69.5m71.2m69.9m

【結果】

1位 中通しオモリ(ナツメ型)/平均72.6m
2位 中通しオモリ(丸型)/平均69.9m
3位 ジェット天秤/平均67.1m
4位 L型天秤/平均65.1m

『中通しオモリ(ナツメ型)』がダントツの飛距離を叩き出し、次に中通しオモリ(丸型)、『ジェット天秤』、L型天秤という並びになりました。

中通しオモリは空気抵抗を受ける金属の脚が付いていないぶん、よく飛ぶだろうなと思っていましたが、その通りの結果となりました。

そして、投げ方が影響しているのかもしれませんが、『ジェット天秤』は飛距離にムラが出ました。いろいろ理由は考えられますが、キャスト時にオモリがスライドするタイミングや足の曲がり方の違いなどが影響しているのではないかと思います。

仕掛けが絡みにくいオモリはどれ?

飛距離チェックは『中通しオモリ(ナツメ型)』が圧勝でしたが、いくら飛距離が出ても仕掛けが絡んでしまうと釣れません。

続いては各オモリの先にキス釣り用仕掛けをセットし、フルキャストして絡むかどうかを検証してみました。

《検証方法》

ちょい投げ仕掛け(全長70cm、ハリ数2本)をセットしてフルキャスト

○着水間際にサミングし、いったん着底させてから回収。

それぞれ5投ずつおこなって絡み具合をチェック

※飛距離重視でフルキャストした時の絡みにくさをチェックしてみました。

漁港に移動して検証開始。仕掛けは絡みにくいように着水間際にサミングします。

針にイシゴカイを刺して検証する予定だったのですが、飛距離検証している間にカラスに食べられていました。残念ながらエサを付けない状態での検証となりました。

カラスの盗難シーンが写ってました

どのオモリが絡みにくいか? 計測結果

フルキャストして海底まで沈めて回収を繰り返した結果がこちら。

L型天秤

絡んだ回数 0回/5投

ジェット天秤

絡んだ回数 0回/5投

中通しオモリ(ナツメ型)

絡んだ回数 5回/5投

中通しオモリ(ナツメ型)

絡んだ回数 2回/5投

【結果】

1位 L型天秤/0回
1位 ジェット天秤/0回
3位 中通しオモリ(丸型)/2回
4位 中通しオモリ(ナツメ型)/5回

最初に投げたのはL型天秤。1投目は絡むことなく戻ってきました。続く2投目も絡みはなく、5投すべてでノントラブル。次は『ジェット天秤』。こちらも5投とも仕掛けの絡みはなし。

そして絡みやすいと噂の中通しオモリ。まずはナツメ型から投げてみると、いきなり仕掛けがリーダーに絡むトラブルが発生し、5投中5投が絡む結果に。ちなみに丸型は5投中2投が先と同様のトラブルが発生。中通しオモリは絡みやすいというのは本当だったようです。

L型天秤、ジェット天秤ともに絡みなし
中通しオモリは仕掛け絡みが頻発しました

中通しオモリで仕掛け絡みが発生したのは、フルキャストして飛んでいる時に道糸と折れ曲がったキス仕掛けが接触することが原因だと思われます。

ジェット天秤やL型天秤は天秤部分があるため、飛んでいる時に道糸と仕掛けが当たらないため絡み防止になっています。

検証結果

飛距離に関しては中通しオモリが群を抜いていましたが、仕掛けが絡みやすいのでフルキャストで遠くを狙う場合はオススメできません(せっかくの飛距離を活かせません)。

飛距離が出て、なおかつ仕掛け絡みの少なさでいえば、『ジェット天秤』がベストと言えそうです。『L型天秤』も絡みにくいうえ飛距離も出るので、ちょい投げ用オモリとしておすすめできます。

低価格な『中通しオモリ』も魅力的ですが、トータルでの使いやすさは投げ釣り用の『ジェット天秤』や『L型天秤』の方が上でした。

ただ、中通しオモリでも短めの1本針仕掛けにして、山なりにふわっと投げると絡みが大幅に減少しました。飛距離は出ませんが、近くを釣るなら十分に使えます。