① 導入
レバーブレーキのスピニングタイラバのフォールの使い分けについて紹介します。
よく勘違いされているのは、魚種毎にフォールを変えて巻き上げと組み合わせるのではなく、ただ単にレバーブレーキを使ったフォールのみで食わせると思われていることです。
結論から言うと、レバーブレーキのフォールはどの魚に対しても一様にただ落とせば良いというわけではありません。
この前提として、いつも記事でタックル(特に、リールのハンドル)が重要と説明しているように、タックルが完璧であって魚種ごとに合わせたフォールを組み合わせることで釣果を出すことができます。(シングルハンドルでぐるぐる回しているのは問題外)
② 魚種ごとにフォールの使い分けをする理由
まず、レバーブレーキのフォールでなければ食わない状況はほとんどありません。
はっきり言ってしまうと、真鯛は条件さえ揃えば、私が推奨しているタックルでないシングルハンドル等のバランスが悪いタックルでも釣れます。
また、普通のバーティカルのスピニングタイラバにおけるフリーフォールでも食います。
バーティカルのスピニングタイラバを始めて15年程になりますが、何度も真鯛がフリーフォールで食ってきたのを経験しています。
ブリに関しては、かなりの本数をこのバーティカルのスピニングタイラバのフリーフォールで釣っています。
そのため、本州や九州の真鯛やブリに関しては、別にこのレバーブレーキのスピニングタイラバは特に必要はないと思っています。
もちろん、真鯛に関しては、ある状況下ではレバーブレーキのスピニングタイラバが非常に有効になる時はあります。
意外なことに根魚のオニカサゴにはこのレバーブレーキのスピニングタイラバが有効です。
では、なぜレバーブレーキのスピニングタイラバが必要なのかについて下記で紹介します。
「魚種ごとにフォールの使い分け」をするということは、真鯛やブリ以外にレバーブレーキのスピニングタイラバのフォールでなければ釣り辛い魚がいるということです。
この魚の代表例が、北海道のエゾメバルをはじめとするメバル類やソイ類のクロソイ等です。
私のレバーブレーキのスピニングタイラバは九州である程度理論を確立させた後、このレバーブレーキのスピニングタイラバでなければ釣り辛い北海道のエゾメバルやクロソイでかなりの数を釣ってテストし、完成させています。
その他にも、カレイの仲間で回遊魚並みに泳ぐ宗八ガレイやマダラ、アイナメなどでもそれらの釣り方についても確立しています。
北海道でこの釣りをやっている間も、九州の真鯛でテストしてこの食わせ方等が正しいか等を検証しています。現在は九州や北海道だけでなく、静岡や東京湾、福島等でもこの釣りをやっています。
また、それぞれの魚種にあったフォールが必要ということは、実際に相当数の数を釣って、その魚がどういう食い方をするのかを知らねばなりません。
これはルアーではなく、エサ釣りでどう魚がヒットするかも知らなければなりません。
そのため、レバーブレーキのスピニングタイラバの最大限に活用するには、それぞれの魚の特性に応じたフォール(レバーブレーキのフォールとバーティカルのスピニングタイラバのフリーフォール)と巻き上げのコンビネーションやある棚でのタイラバを保持した状態からのフォール、タイラバを保持する棚のキープと船の流れ方を適切に組み合わせたりする等といろいろなことをその日の状況で考えて合わせていかなければなりません。
これまで、この魚種ごとにフォールの組み合わせ等が異なることを紹介していませんでした。
実際に相当数釣っていないとこのレバーブレーキのスピニングタックルを使いこなせないため、あまり人にはおススメしない大きな理由の一つです。(経験がものを言うため)
魚種ごとに異なるフォールの演出が必要ということは、それだけ精度が必要となるため、どうしてもタックルにお金を掛けなければなりません。(特に、安いリールは使い辛く、ダブルハンドルの交換が必須のため)
なお、細部タックルについては、過去の記事等を参照してください。
さらに、魚の特性を理解するためにそれだけの釣行回数が必要となります。
突き詰めれば、エサ釣りの経験や知識も必要です。
しかし、掛けたお金の分だけ釣れるかというと、そこまでの釣果は見込めません。
レバーブレーキのスピニングタイラバは使いこなせれば釣果は伸びますが、実際ベイトタックルと普通のバーティカルのスピニングタイラバのタックルを使い分けるだけで釣果は伸ばせるので、上記の理由等もあり、あえて私はこのレバーブレーキのスピニングタイラバをおススメしません。
③ レバーブレーキのスピニングタイラバの釣り方の紹介(一例)
タイラバで狙って釣るのが難しいメバルについて、一例を下記の個人ブログで紹介していますので、内容が気になる方は参照してください。レバーブレーキのフォール以外の食わせ方について紹介しています。
ソイ類の釣り方については、簡単に紹介します。
レバーブレーキのスピニングタイラバでよく釣れるのは「クロソイ」です。
この魚は遊泳力が他のマゾイ、シマゾイ等に比べ強く、ベイトに合わせて広い地域を回遊します。
また、非常に雑食性が強く、エビなどの底生動物からシシャモやイワシなどのやや大型の魚まで捕食します。
この魚の釣り方の一例を挙げると、北海道の沖堤防周りのボートロックタイラバがあります。
この魚を狙っていると、きれいにクロソイに合ったフォールが演出できると底付近にぴったりとくっついている大型のクロソイが口を使ってくれ、ヒットします。(大型は時合が一瞬なので、失敗すると大型が釣れないでその日が終わります。)
ロックフィッシュゲームのワームなどで底付近を叩いている人には釣れませんが、なぜかこのレバーブレーキのスピニングタイラバにはヒットします。
もちろん、ベイトタックルでも釣れません。
フォールで食わない時は、レバーブレーキのフォールからの巻き上げ、フリーフォール、巻き上げ、止めの動作をするとリアクションバイトで食うことが多いです。
バイターボブレーキ(BITURBOブレーキ)はレバーブレーキのスピニングタイラバには向かないと書いていますが、例外的にブレーキの効きの良さを利用して、変則フォールで魚をじらすことでヒットに導くことも可能です。
特に、このやり方はソイ類よりもメバル類に非常に効果があります。
メバル類はフォールするエサを執拗に追いかけます。
メバルは群れで泳いでいるため、複数の魚がルアーやエサを追いかけていることが多いです。
そのため、レバーブレーキのスピニングタイラバが有効となります。
これは昔、春先にテトラ周りについていた大型の黒メバルを落とし込み釣り(チヌ狙いの道具)で釣る時に気が付き、以降、毎年大型のメバルをたくさん釣ることができました。
その時の経験を活かし、北海道で実践し、メバルの特効となるタイラバでの釣り方を見つけました。
一例を紹介しましたが、上記のように、レバーブレーキのスピニングタイラバは非常に奥が深く、釣り慣れていない人にはやはりレバーブレーキのスピニングリールは無用の長物となります。
リールは複雑な構造上、壊れやすいし、タックルの値段が高い等デメリットの方が多いですが、人とは違った釣り方をしたいなら止めはしませんが、何度も言うようにお勧めはしません。
このレバーブレーキのスピニングタイラバの動画では楽しそうに見えるかもしれませんが、この釣りをずっとやってきてやはり常にこの釣り方で釣れるわけではないといつも思っています。むしろ釣れない状況が多いです。
そのようなコスパの悪い道具にお金をかけるよりは自分にあった道具にお金をかけたり、釣行回数を増やした方がもっと個人の釣りを楽しめるので良いと考えています。
④ 結論
メリット、デメリットをしっかりと理解した上で、この釣り方を楽しまれるのであれば、紹介しましたように、しっかりと最低限道具は揃えて臨まれた方がこの釣りを楽しむことができます。
自分のやりたい釣りを楽しむ、そのためにどういう道具や釣り方をするかも考えるのも釣りの楽しみだと思います。