3月14日、山元隆史さんと髙里悟さんが高知県は久礼の磯へチヌを狙って釣行。本当は完全なるプライベート釣行だったが、2人のご厚意で同行させてもらうことに。どんな釣りが展開されたのだろうか?
(右)高里 悟(たかざと さとし)/ロックバンド「MONGOL800」のドラマーとして全国を飛び回りつつ、その合間を縫って精力的に磯に通う。G杯グレの優勝経験を誇るフカセ釣りのエキスパート。マルキユーやガルツなど多数のメーカーからサポートを受ける。
(左)山元隆史(やまもと たかし)/徳島県釣連盟第55代名人位。グレやチヌのフカセ釣りを得意とし、四国西南部の尾長グレ狙いにも精通。ダイワフィールドテスター、八釣会所属。
久礼の磯「黒バエ1番」
午前6時15分、山元さんと髙里さんは「黒バエ1番」に渡礁。山元さんいわく、波に弱いのが欠点ながら久礼エリアのなかでも大型のチヌが狙える磯とのこと。
高里「雰囲気のいいところですね〜。チヌ以外にグレも釣れそうな磯ですね」
山元「シーズン中はグレも狙えますよ。船頭さんの話では今年はチヌが遅れ気味で、まだグレが釣れてるらしいですよ」
高里「やっぱりグレも釣れるんですね。グレも気になりますが、今日は強烈な引きをみせるという久礼のチヌをぜひとも釣りたいです♪」
山元さんは『プロ山元ウキ サイトプロ』2Bを用いた半遊動仕掛けからスタート。高里さんはまずは幅広い層を探るためガルツ『残心(4速)』を使った1000釣法でスタート。
2人とも「黒バエ2番」との水道側に釣り座を構えて釣りを開始。すると、1投目から高里さんがアタリをとらえた。
「今アタりましたよ。チヌかな?」
そう言った次の瞬間、ラインがス〜ッと引き込まれていく。しっかり食い込ませてからアワセを入れると、ロッドが大きな弧を描いた。「ヤバイ、むちゃくちゃ引く(汗)。楽しすぎる♪」とチヌとの駆け引きを存分に楽しんで取り込んだのは、40cm後半のナイスサイズ。いきなりの良型に髙里さんのテンションもアップ。
その10分後、今度は山元さんにもチヌがヒット。しかし、残念ながらファイト途中にハリ外れ。「まあまあ重量感があったのに〜(泣)。残念です。でも時合かもしれないですね。高里さん、任せました!」
その言葉に応えるように高里さんがアワセを入れてヒットに持ち込んだ。「浮いてましたね。さっきのチヌより浅いタナで食いましたよ」と、難なく寄せて45cmほどのチヌをゲット。この連発劇に山元さんは「さすがですね〜お見事です!」と脱帽。
それからしばらくはサシエが残る時間が続いたが、山元さんにエサ盗りのスズメダイがヒット。
高里「スズメダイが釣れたってことは、次はグレが釣れそうじゃないですか?」
その直後に、
山元「おっ、ウキが入りましたよ」
アワせてやり取りを開始すると、「高里さんが言う通り、引き方がグレっぽい」と山元さん。
やがて海面に姿を現したのは、30cm後半のグッドコンディションのグレ。「ほんとにグレが釣れちゃいましたよ」と山元さんもビックリ。
高里さんと山元さんの仕掛けとエサ
ここで高里さんと山元さんが使った仕掛けやエサを紹介。
高里さんのタックル
ウキは高里さんが監修したガルツ『残心』をメインに使用。ロングハリス・沈め釣りに対応するモデル。
ハリは近年の繊細なチヌ釣りに対応する細軸軽量のがまかつ『ファインチヌ』
ハリスはバリバス『バーマックス磯ゼロハリス』。道糸には釣行前に『PEにシュッ!』をスプレーしてメンテナンスする。
偏光グラスは『Zeque(ゼクー)』製品を愛用
高里さんのエサ
マキエは『チヌパワーVSP』2袋、『チヌパワームギスペシャル』2袋にオキアミ生9kgを混ぜ合わせた。
サシエはオキアミやむきエビを中心に丸えびも持参。『くわせきびなご』はスルスルスルルー釣り用に準備。
山元さんのタックル
この日、山元さんが使った竿はダイワのNEW『銀狼』。操作性に優れる張りを持ちながら、魚を掛けて曲げ込むと胴からしっかりと曲がって引きを受け止めてくれる。
山元「価格を抑えながらもチヌ竿独特の基本性能を凝縮したロッドです。これからチヌ釣りをはじめてみようという方におすすめですよ」
ウキは山元工房の『プロ山元ウキ』シリーズの『サイトプロ』と「W合金18E」を使った。深ダナ狙いのときは「タナプロ」も投入。
山元さんが愛用しているダイワ『フィッシュグリップV130K』。
当日、着用していたグローブは、ダイワ『DG-13009T(5本カット)』。マグネット付き立体ハリ収納機能により、すばやいハリ交換ができる。
山元さんのエサ
マキエはオキアミ生9kgに、ダイワ『銀狼アミノXチヌど遠投』3袋、『銀狼アミノXサナギ』1袋を混ぜ合わせたもの。サシエはオキアミ生を中心に、『銀狼アミノXサナギ』をまぶしたオキアミも使用した。
食い渋る中でもフカセ釣りを楽しむ
釣りを開始して2時間が経過した8時30分、やや沖目を探っていた髙里さんにヒット! フッキングが決まった瞬間から強烈なパワーで抵抗する魚。
高里「何これっ!? 首振ってるからチヌっぽいんですけど」
山元「チヌでしょう。デカイですよ、それ!」
緊迫したやり取りが続くなか、ハリスが根に擦れるイヤな感触を感じた髙里さん。すぐさま足場を変えて応戦するも、惜しくも根に入られてラインブレイク。
高里「チヌって根に入る魚じゃないんですけどね。相当大きな根があったんでしょうか? 燃えてきましたよ!」
「あの引きは50cmを余裕で超えるチヌだと思いますよ」と隣でやり取りを見ていた山元さん。
その後、食い渋りの状況となる中で山元さんが30cmクラスのチヌをキャッチ。
続いて髙里さんがサンノジをキャッチしたところで潮の流れが緩み、しばらくサシエも盗られない静寂の時間が流れた。
やがて、潮がこれまでとは反対方向に流れはじめたため、仕掛けを流しやすいように2人は潮下側に釣り座をチェンジ。そして足元のシモリ際を狙い撃ち、2人とも40cm弱のグレを立て続けにゲット。
そして迎えた納竿30分前。山元さんが「黒バエ2番」との水道向きの足元ギリギリを攻めていると、シモリはじめたウキが徐々に加速するアタリでチヌがヒット。40cmオーバーのチヌを釣り上げた。
このチヌを最後にストップフィッシングとなった。
山元「今日は雪解け水が入って水温が下がったせいでしょうか、思うような釣果が出なかったですね。もっともっと久礼のチヌ特有の強烈なファイトを楽しんでいただきたかったんですが……」
高里「いえいえ、十分楽しめましたよ♪ 今度は山元さんの地元であり、僕が学生時代を過ごした徳島でリベンジマッチしましょうよ」
山元「いいですね〜」
高里「決まりですね♪」
高知の釣りを楽しんだ2人は、徳島での再会を誓い、帰路についた。