サクラマスのバケ釣り/白老沖(北海道苫小牧市)

釣歴30年、得意なジャンルはキスの投げ釣りと船釣り全般です。特に、最近は全国各地でタイラバで遊んでます。メインフィールドは北部九州及び北海道です。海、淡水問わずいろいろな釣りにチャレンジし、特に、海釣りにおいては北海道のタイラバの普及、レバーブレーキを使用したスピニングタイラバの普及等に力を入れてます。

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サクラマス バケ釣り

54cm、2キロのサクラマス

今回もサクラマスのバケ釣りに行きました。この時期は川も凍結しており、また海のショアも水温が大変低いので一部の地域でしかまともに釣りにならない状態です。この時期は主にワカサギを狙う人が多いです。

この時期の船の釣りは例外なく凍結します。船が釣り場に到着したら、まずは自分の足元を海水で流すことから始まります。流す前の床はシャーベット状になっていて危険すぎるからです。

さらに移動している間はリールにビニール袋を被せるのが必須。それでも竿はガイド凍結するので、海につけたりして溶かします。

凍結したガイドとライン

今回の釣行では、終始にわたり宗八ガレイとスケソウダラに悩まされました。宗八ガレイはカレイと名が付くものの、底にはへばりついていません。水深100mの場所であっても海面から15mぐらいの浅いレンジでヒットすることも多々あります。非常に遊泳能力のあるカレイで、一晩でかなりの距離を泳ぐのだそうです。

大きい物は50cm程になり、食べても美味しいので専門に釣る人もいます。しかしながら、釣れる数が数ですので処理に困ります。まともに狙うと50リットルクーラーなど簡単に満タンになります。3桁を超えるのは当たり前の釣りです。

スケソウダラも宗八ガレイも食べては美味しいものの、サクラマス狙いの時にはやはり外道となりかなり嫌がられます。また宗八ガレイはヌルヌルして独特の匂いがあり、苦手な人にはダメらしいです。

アワビ貼りバケと宗八ガレイ

使用したアワビ貼りのバケと宗八ガレイ

今回は朝イチにアタリが集中し、その後は宗八ガレイやスケソウダラの群れの中にサクラマスの小規模の群れがたまたま入ってきたときに、その中に仕掛けがあった人にヒットというかなり運任せの釣りでした。

サクラマスのバケ釣り自体、運任せの要素が大きく、群れが大きく条件が良ければ初心者でも定数の10匹を達成できる釣りです。テクニックよりも、条件が揃う日に行くということの方が重要です。

ただし無勉強で釣りに臨むのは問題外であり、最低限勉強してサクラマスのバケ釣りに臨む方がトラブルが少なく済みます。最近は、全く無勉強で船に乗り、船長頼りや他の人に迷惑をかけることをなんとも思わない人にちょくちょく遭遇するので、最低限のマナーとして自分のことは自分でできるぐらいにすべきと多々感じます。

今回はサクラマスが船中3本という激渋の中、1本をキャッチすることができました。その1本は、今までで一番大きく自己記録更新サイズでした(54cm、2キロジャスト)!

この1本は、他の船でもヒットが集中した朝方の時間帯に、当初深い所を探り反応がなかったので、浅いレンジを探っていた所にヒットしたものでした。事前に潮などを見て、来るならこの時間帯かなと思っていたところヒットしたのでラッキーでした。

ヒットしたバケのカラーは、アワビ張りのもの。今回は前回と違い晴天だったのでシルエットをぼかした方が良いと思い、ナチュラルに近いアワビ貼りで行きました。

釣れるときはとことん釣れ、釣れない時はとことん釣れない、マス釣りは非常に奥が深いと再度実感するとともに、また行こうという気にもなる不思議な釣りです。

タイラバもしたいのですが、水温が一桁前半になると魚が底から動かないことも多く、タイラバには非常に不利になります(一応、攻略方法はありますが)。3月になるとまたソイの活性が上がるので、その頃にはまたレバーブレーキを使用したスピニングタイラバで60cmオーバーのソイをキャッチしたいと考えています。



《釣行メモ》

釣行日 2018年2月25日
潮汐 長潮
 満潮  08時48分
 干潮  17時48分
(白老)

《使用タックル》

竿 剣崎V2 マスSP 240 ダイワ
リール 16シーボーグ300MJ ダイワ
道糸 PE 3号
ハリス ハリス10号、幹糸12号
ハリ フカセ針15〜16号、チヌ針10号 がまかつ
ルアー バケ 700g(アワビ貼り)

○サクラマスのバケ釣りの竿について

サクラマスのバケ釣りの竿について、最近よく船長がぼやいているのが、「柔らかい竿が多く、オマツリが多くなり、釣果に満足できない」ということです。

このサクラマスのバケ釣り、以前紹介したように2m以下の短い竿は使い物にならず、かつ太平洋側はバケが700gもあり、それを扱える竿は限定されます。大体、120号の竿が目安ですが、その中にはサクラマス専用の竿と謳っていながらもサクラマスに向かない柔らかいような硬いような中途半端なものもあります。

基本、硬い竿と柔らかい竿の2本があれば理想ですが、どちらか1本なら硬い竿推奨です。柔らかい竿は数が釣れるときに非常に向いていますが、メインは硬い竿でしっかりとバケを振れることが前提です。

柔らかい竿を使うと船の下に糸が入っていく状況では、バケを振っても竿がその力を吸収してほとんどバケが動かず、仕掛けがその場所に置かれた状態になり、他の人とのオマツリが発生します。サクラマスの仕掛けについても、最近は変な凝った仕掛けを使い、1人だけ釣れないような状況が多いそうです。

ベテランになるほど、いろいろこだわりが出てきて、仕掛けにいろいろ付けるようです。きちんと成果を出している人であれば問題ないのですが、かえって周りとのオマツリを多発させる方もいるので、あくまで仕掛けはシンプルなのが無難です。

お勧めの仕掛けは、千歳空港の近くの恵庭市というところにあるヤマト釣具さんの仕掛けです。シンプルながら非常に実績が高いです。

あくまで奇をてらわず、基本に忠実にあきらめずに最後までバケを振るのが釣果に結びつく方法と思います。一般的には釣れるのには理由があると言われますが、個人的にはそうではなく、釣れるにはその時の条件等があり複数の要素が絡むので、むしろその要素自体が大すぎて理由がわからないという風に感じます。

逆に、釣れない理由は、一つでも要素にヒットすると確実に釣れなくなるので、むしろ上記のように変な仕掛けを使わず、釣れない理由をなくす方が釣れると思います。

サクラマスのバケ釣りの糸(ライン)はPE3号がお勧めです。古い本などには、PE6号とか書いているものもありますが、これを使うとオマツリします。特に、バケはジグと同じように考えてもらえばわかりますが、糸が太ければ細い糸と同じように沈めるにはそれなりの重さのジグが必要となります。しかしながら、バケは太平洋側では700gと統一なので、他の人より糸が太いと確実にオマツリします。

糸に合わせてその糸を十分にストックできるリールが必要ですが、6時間程手持ちでひたすら竿を上下するので重たいリールでは体力がもちません。そのため、お勧めはダイワなら300番サイズのリールです(PE3号400m巻ける)。これより大きなものは体力が持たず、逆に小さい物は荒い使い方をする人ではその負荷により故障の原因となります。ベテランの方では問題ないと思いますが、あくまで相応の使い方をする方が無難です。

この釣りに行く前にはしっかりと釣具屋さんで情報を聞くとともに、いろいろな情報を照合させた方が間違いはありません。