釣行日/2023年5月20日
夏といえばキス(シロギス)釣りの最盛期です。投げ釣りで狙うのですが、僕はこの10年くらい投げ釣りタックルでの引き釣りではなく、アジやメバルのルアーゲームに使うタックルを流用して、ちょい投げしての引き釣りで楽しんでいます。その理由はキープするのは20匹までにしているので、キス1匹ごとのアタリと引きを楽しめるこのスタイルがマッチしているからです。
ロッドはアジング用。リールは2000番、ラインはPE0.4号で、リーダーはフロロカーボン1.25号です。そのまんまアジングタックルです。
仕掛けは3号の小型半遊動天秤(『ミニミニジェット天秤』)、そしてハリス付きキスバリの6〜7号の1本バリ仕掛けです。
1本バリなので当然1投1匹しか釣れません。非効率? いえいえそこは考え方次第です。フグにエサをハリごと噛み切られるとか、根掛かりしてハリの結束部が切れてしまっても精神的なショックが小さいし、復旧も早いし、コストも抑えられます(2本バリ仕掛けハリ2本切られるとけっこう落ち込みますよ)。結果的に効率がよかったりするのです。
エサはイシゴカイ。アオムシでも釣れるのですが、イシゴカイが絶対的におすすめです。この2種は混同されがちなのですが、別種で大きさがまったく違います。アオムシのほうがイシゴカイより断然太くて長いのです。6〜7号のハリサイズに合わせるなら絶対的にイシゴカイです。キスもスポッと吸い込んでくれるので釣果にも違いが生まれます。
ちなみにイシゴカイはいつも木製のエサ箱に入れて使っています。木製エサ箱は適度な通気性があり、海水で濡らして湿らせておけば、イシゴカイが元気です(さすがに夏場はクーラーに入れておかないと高温ですぐ弱ってしまいますが…)。繰り返し使えるので、木製エサ箱はおすすめです。
釣り場は江田島と能美島で囲むようにできた江田湾。北側にある津久茂瀬戸で外海とつながっています。瀬戸内海のさらに内湾ではありますが、潮通しがなかなかで、チヌ、マダイ、メバル、キス、カレイ、サヨリなどが釣れます。秋から冬にかけてはハマチやブリ、サワラなども回遊を見せるターゲット豊富なエリア。とくにキスとメバルはかなり多いので、個人的には魚種によってはこの湾内で産卵活動までしている独立した海なんじゃないかと考えているほどです。
さて、釣り場ですが、今回は江田湾の西側(能美島側)の波止へ入りました。50m沖で水深は深くて10mほど、底は砂地がメインなので引き釣りしても根掛かりはあまりありません。オモリが3号と軽めなので水深はあまり深くないほうが釣りやすいです。
30mくらい沖にオモリを投げてラインを張って着底させます。このときラインをフリーで沈めていくと海中で余計な糸フケが出ているのでオモリ着底がわかりにくくなります。またリールを巻きはじめてオモリが動くまでもロスになるのでアタリを逃すこともあります。
リールを5回転したところでティップが「クククッ」と引き込まれます。キスらしい強くリズム感のあるアタリ。ベラやフグは「ガッガッ」ともっと強くてリズムも荒々しいアタリであることが多いです。逆に「ビビビ」と小刻みだと小ダイ、通称「チャリコ」であることが多いです。繊細なルアータックルだとこういったアタリの判別もおもしろいところです。
上がってきたのは20cmの本命キス! 1匹しか釣っていませんが、今夜は天ぷら決定です。
続けて同じ場所へ投げ込んでリールを5回転させるとまたキスがヒット。これが4匹続いてウハウハ。群れに当たったようです。でも5匹目はピタっと釣れなくなりました。別なコースへ投げてもアタリがありません。ふと時計を見ると潮止まりの時間。いくら群れがいれも潮が動かないと食いません。
その後、潮が動きはじめるとアタリが復活! 荒々しいアタリがティップを叩きます。ということは? これはベラ(キュウセン)でした。これが連発! キュウセンは体表にぬめりがあって、素手でつかみにくく、微妙に背ビレが痛いので敬遠されることもある魚ですが、キスに並ぶ食味の持ち主。サイズのいいキュウセンの刺身と煮付けは絶品なのです。
その後場所を変えつつキスを追加していき、家族で食べるぶんは十分確保できたので納竿としました。
このタックルでのちょい投げは手軽だし、アタリと引きがとても楽しめるので未体験の方にはぜひ体験してほしいですね!
暑さもピークの時期です。熱中症にだけはくれぐれもご注意ください。水分と塩分補給はもちろんですが、ちょっとでも身体に異変を感じたらすぐ釣りをやめて涼しい場所で休むようにしてください。
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