釣行日/2023年7月1日
メバル釣りがライフワークのひとつなのですが、今シーズンはまともにメバルを釣っていません……。季節的にオカッパリからメバルが狙えるのは最後のタイミングなのでボウズ覚悟で出かけてみることにしました。
この時期のメバルは「梅雨メバル」や「夏メバル」と呼ばれています。冬に産卵を終えて、春先からガンガンエサを食べ、その栄養がしっかり身体に行き届いて内蔵にも脂が回った状態です。コンディションがいいので引きが強いし、食べるのも一番おいしい時期なのです。
しかし、オカッパリでは釣れる場所が極端に少なくなります。メバルは温かい水は苦手で、水温が上がると沖へと出ていくからです(ボウズ覚悟というのはこのため)。逆に潮通しがいい沖磯(渡船を使って行く場所)はこれから青地メバル(クロメバル)が回遊してくるので楽しい時期を迎えます。
この時期のメバルをオカッパリの波止で狙うには、春まで釣れていたデータはあんまりアテになりません。季節に応じたメバルの動きに合わせた狙い方が必要です。
そのキーワードは2つ。
「水がごっそり入れ替わるほどの潮通しのよさ」
「深い場所と浅い場所が混在する地形」
これはかつて、メバル釣り名手・中村幸春さんに教わったことでした。
「水がごっそり入れ替わるくらいの潮通しじゃったら、水温が低めで安定するけぇ、メバルも動きやすいんよ。ホンで、昼間は深い場所におって夜になったら浅い場所へエサを探しに入ってくる。じゃけん夏の沖磯の夜釣りはメバルがよ〜食うんよ」(中村さん流の説明)
過去この時期に釣った場所がいくつか思い当たりましたが、土曜の夜だし、車で行ける場所は競合も多いかなとフェリーで渡る大崎上島へ行ってみることにしました。ここは全体的に潮通しがいいし、深い場所と浅い場所が混在する地形も多くあるのです。また、この日は大潮で潮がよく動くし、満潮が21時半というライトゲーム向きの潮汐なのも選択の理由でした。
竹原港を20時のフェリーで出発。30分ほどで垂水港に到着。目的の垂水港の横の波止は……やっぱりの先客。潮通しがよく水深もあっていかにも釣れそうオーラを感じるこの波止に素直に入れたことはありません。
このため前述のキーワードを念頭に島内を回ってみますが、どこもアタリひとつありません。なんとカサゴも釣れません。この島でカサゴすら釣れないのは不吉な予感しかありません。
アタリのなさより気になったのは切れた海藻。かなりの確率でジグヘッドに引っかかってくるのです。ひょっとしたら前日まで広島県内に降った大雨の影響がこの離島にも出ているのかもしれません。
結局まともなアタリを得られないまま深夜25時。仮眠することに。どっちみち始発まで帰れないので、一旦休んで朝マズメにかけてみることにしました。
爆睡して4時起床。垂水港横の波止は……人の姿なし! さっそく波止の先端に入ってみると潮はいい感じで動いています。水面のエサを追うなど、メバルの気配は感じられないですが、時間的にここに賭けるしかありません。
波止先端周辺は10mくらいの水深がありますが、右手にあるもう1本の波止の周りはさほど深くありません。そっちへジグヘッドをキャスト。浅い場所から深い場所を探るようにジグヘッドリグをリフト&フォールさせていると、中間地点で「ゴンッ」というアタリでメバルがヒット!
ロッドが曲がってドラグもうなります。これはけっこうなサイズの予感! しかし引きを楽しもうと余裕を見せたのがいけなかったのか、ハリハズレ……。
すぐさま同じコースに通すとまたヒット。これも強い引きですが、先ほどのものに比べるとかなりパワーダウンな印象。上がってきたのは23㎝の良型メバルでした。丸々していてまさに梅雨メバルです。先ほどのバラシが悔やまれます。
しかしこのパターンで18〜23cmの食べごろメバルを4匹キープすることができました。15cmクラスも7、8匹釣れましたがそれらはリリース。アタリがなくなったところで5時20分納竿としました。
短い時間でしたが、入れ食いが楽しめました。運よくメバルの回遊に出会えたようです。釣れたメバルはおいしくいただきました。
《使用タックル・エサ、潮汐などは次ページで紹介》