釣りバリの号数に基準はあるの?【釣りの疑問】

釣りぽ編集部制作の記事です。※一部執筆記事もあり(本文最後に報告者を記載)。

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質問:釣りバリの号数に基準はあるのでしょうか?

オモリの場合は、1号=3・75gと数値が決まっていますが、
ハリは同じ号数でも製品によって大きさがまちまちのようです。ハリの重さやパーツの長さなど、ハリの号数に基準はあるのでしょうか?
(ハリー・アップ ハリー〈愛媛県松山市〉)

回答:釣りの種類において、号数を決める基準となる製品があります。

回答者:木下 正規さん
((株)がまかつ企画開発課に所属して釣鈎設計を担当している)

オモリや釣り糸の号数については明確な基準があるものの、鈎(ハリ)の号数を決定づける明確な基準はありません。そのため、鈎の号数が同じでもメーカーや釣りの種類(対象魚)、各製品によって鈎の大きさが異なります。その昔、鈎の号数は重さ・フトコロの幅・材料の長さを基準にしていたなど、号数の基準決定には諸説あります。

では、基準がないからどんな号数表記でもいいかというと、そうではありません。当社では釣り人に分かりやすいように、各釣りの種類において号数決定の基準としている製品があります。グレ用の鈎であれば『伊勢尼』、チヌ用の鈎であれば『チヌ』、渓流用の鈎であれば『渓流』などがそれに該当します。

がまかつ『伊勢尼』(釣り鈎)

『伊勢尼』は軸太でしっかりした鈎です。鈎先は鋭く少し内向きで、外れにくくなっているため、どんな大物が食いついても安心です。号数(黒):1~15号
がまかつ『チヌ』(釣り鈎)

『チヌ』は、チヌはもちろんマダイやグレ、イサキなど多彩な魚種に対応する鈎です。号数(黒ヒネリ):0.5~12号
がまかつ『渓流』(釣り鈎)

『渓流』は頑丈で鈎先の鋭さを最重視して作り上げた鈎です。アゴを貫き、しっかりと渓魚をとらえます。あらゆるエサに向くオールラウンドタイプです。号数:5~11号

 同じ釣りの種類の中で見ると、例えば当社にはさまざまなチヌ用の鈎のラインナップがありますが、号数は『チヌ』の大きさをベースとし、さらに各製品のコンセプトに応じて同号数でも大きさや太さが熟考されています。例えば、『ファインチヌ』は、一般的なチヌ鈎の同号数と比較して、小さく・細く・軽く設計することで、チヌが鈎についたエサを吸い込みやすくしています。


『ファインチヌ』は近年の繊細なチヌ釣りに対応した細軸軽量モデルです。号数:1~4号

余談ですが、『チヌ』には、0.5号から12号まで、17号数の幅広いラインナップ展開になっています。その理由としては、一般的なチヌ釣りでは1号から5号程度まであれば釣りが成立しますが、『チヌ』は数多くある鈎の中でも汎用性が極めて高く、チヌ以外の魚種・釣法にも使用されるためです。

鈎の大きさの使い分けは、魚が小さい、エサが小さい、魚の活性が低い、竿が軟らかい、糸が細い、プレッシャーが高い状況では小さい鈎を使用し、逆の状況では大きい鈎を使用するのが一般的です。

鈎の号数表示について、エサ用の鈎は鈎サイズが大きくなると数字も大きくなります(1→2→3~)。それに対して、トレブルフック、ワームフック、ジギングフックなどのルアーフックやフライフックは、鈎サイズが大きくなると数字が小さくなります(#10→#8→#6~)。

さらに、#1よりも大きな鈎には「/0(スラッシュゼロ)」を付け、「1/0(イチゼロ)」と表記し、鈎サイズが大きくなるとスラッシュの前の数字も大きくなります(1/0→2/0→3/0~)。

これは、昔は#1が最も大きい号数でしたが、タックル(ロッド・ラインなど)の進化や釣法の変化により、使用する鈎のサイズが大きくなったために、上記のような表記方法となっています。また、新たなジャンルの釣りで専用の鈎を開発した場合、「S、M、L」などの表記で、釣り人に理解しやすい基準設定をすることもあります。

がまかつ『ジギングフック S.L.J. チューンド329』(釣り鈎)

『ジギングフック S.L.J. チューンド329』は、フックプロスタッフ中村豪氏が監修したスーパーライトジギング専用フックです。鈎サイズが大きくなると数字が小さくなり、1よりも大きな鈎はスラッシュの前の数字が大きくなると鈎サイズも大きくなります。サイズ:#4、2、1、1/0~3/0
がまかつ『サーベルポイント フッキングマスター』(釣り鈎)

『サーベルポイント フッキングマスター』は、SS、S、M、Lの4サイズがそろっています。通常の材料に比べて、フトコロ強度は25%以上強化されています。サイズ:SS~4L
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