バーティカルのスピニングタイラバにおいて、最適なヘッド形状とタックルの組み合わせについて、長年研究してきた結果について紹介しています。
なお、2020年3月執筆時点の最適なタックルです。
スピニングタイラバのメリット・デメリット
まず、バーティカルのスピニングタイラバのメリットとデメリット等について簡単に紹介します。細部については、下記のリンク先にあります。
バーティカルのスピニングタイラバの特徴、メリット、デメリットについて
釣りぽ版 バーティカルのスピニングタイラバについて
◯スピニングタイラバのメリット
・フォール時の抵抗がないため真下に落とす時はベイトタックルに比べ着底が早い
・キャストによりトレースコースをずらせること
・ヒット後のやり取りがベイトタックルに比べて楽
・ドラグ性能がベイトタックルに比べて良い
◯スピニングタイラバのデメリット
・潮が速い時はベイトタックルに比べて着底の感度が悪い
・巻き取りパワーが構造上劣ること
・道具が高い
なお、スピニングの構造上巻き取りが弱いというところは、ある意味メリットにもなります。答えは言いませんが、これがわからない人は、スピニングタイラバの本当の強みがわかっていません。
スピニングタイラバのタックル紹介
続いてタックルについて紹介します。
私は、今は2種類のタックルを使い分けています。
細部は上記のリンクで紹介していますが、主に使っているのが以下の2タイプです。
・タックル①:シマノの4000番クラスのパワーギアのリールを使った、やや巻き取り量(ハンドル1回転での巻き取り量)が大きく、ハイアピールのタイラバに向くタックル(タックル①と呼称)
・タックル②:ダイワの旧2500番クラスのリールを使った比較的抵抗が少ないヘッドに向くタックル(タックル②と呼称)の2つを運用しています。
この他には、ある特殊な状況で使うスピニングタックルがありますが、これは別の機会に紹介します。(私のタイラバの原点のタックルをリファインしたタックルです。)
【タックル①の特徴と最適なヘッドの組み合わせについて】
タックル①の特徴は、前述しましたがハンドル1回転での巻き取り量が多く、ハイアピールのタイラバヘッドに向くというところです。
具体的には、ガイドサービスセブン社のセブンスライド(廃盤)、ハヤブサ社のSFなどのように前面(上面)の面積がやや広かったり、平らなものがこれに該当します。
活性が高い時の真鯛に向くセッティングとなります。
なお、このタックルは、タックル②を兼ねることができ、タックル②が得意とする低活性時に向く抵抗が少ないヘッドにも使用できます。(やや巻き取り速度の調整が必要ですが・・・)
【タックル②の特徴と最適なヘッドの組み合わせについて】
タックル②の特徴は、ハンドル1回転での巻き取り量がタックル①に比べて10cm程度少なく、平均して一巻き70cm前後となっています。
このタックルでもタックル①のヘッドを使用できますが、構造上いくらかの抵抗を受け、やや巻き取り辛い時もあります。(ハイギアよりは巻きやすいのは当然ですが、やや使い辛いです。)
なお、タックル②は、10年以上各地でテストをしてきて、一番真鯛を釣っています。
一番深い所で釣ったのは島原半島と天草の間の海域で水深150mの激流の地域で、5キロオーバーの真鯛を上げたこともあります。
タックル②に一番最適なヘッドは、ジャッカル社の『ビンビン玉スライド』のタングステン版や海遊の『海神 シャンクス』などが最適です。
抵抗が少ないヘッドで底付近に固まっているタイや根魚等を狙うのに特に適していますが、タックル①と同様にも使えます。
なお、レバーブレーキのスピニングタイラバでは、タックル①で使うハイアピール系のタイラバを使う必要があるため(潮の抵抗を受けづらいヘッドはフォールが速すぎるため不適)、やや小さめのヘッドを選ぶ方が無難です。
タックル①でもワームを付けた同様のセッティングが効果的です。ただし、タックル①ではフリーフォールからの巻き上げでヒットさせるのがメインとなります。
レバーブレーキのスピニングタイラバについてのセッティングをこちらを参照してください。
釣りぽ版 レバーブレーキのスピニングタイラバについて(その1)
釣りぽ版 レバーブレーキのスピニングタイラバの特徴、メリット、デメリット等(その2)
レバーブレーキのスピニングタイラバについて(その1)
レバーブレーキのスピニングタイラバの特徴、メリット、デメリット等(その2)
レバーブレーキのスピニングタイラバ(その3)
また、特に北海道のタイラバでレバーブレーキのスピニングタイラバは有効でした。
釣りぽ版 北海道のタイラバ
北海道のボートロックタイラバ
北海道のタイラバ(沖五目)
タックル②では、冬のタイラバパターン(海藻パターン等)にも対応できるものの、やはり巻き取り量がベイトのローギアに比べ多いので、アミパターンや海藻パターン等にはベイトタックルの方が向きます。
このようにスピニングタックルとベイトタックルを使い分けるのが大切です。
上記が現段階の最適なタックル選定です。
ヘッドの形状は、あくまで後ろのスカートやネクタイを上手く動かすためで、適切な形状を選ぶ必要がありますが、色に関してはシルエットを見せるという観点だけで考えて良いと思います。
製品によっては変な模様を彫っていたり、リアル形状のようにしているものもありますが、人間よりも視力が遥かに悪い魚がそのような細部まで見ているかというと多分見ていませんので、あくまで形状と色を重視してください。
表面の模様やリアルさはどうでも良いです。ただし、アイのシールは重要で、これは光の反射があるからです。
北海道のボートロックタイラバにおいて、以前濁りが強い状態で、タイラバをやっていたところ、アイナメがやたらとヒットしました。
特に、50cmを超えるアイナメも複数ヒットし、1人だけ釣れる状態でした。
その時は、匂いが付いているワームを使っているロックフィッシュ専門のアングラーにもヒットしましたが、水流の波動の弱いリアル形状のタイラバヘッドを使っている人には全くヒットしていませんでした。
この時感じたのは、タイラバにおいては、味や匂い、そしてシルエットに加え、魚の側線を刺激する波動が重要だということでした。
それ以来、人間を釣るような奇抜なデザインをするタイラバを敬遠するようになりました。
バーティカルのスピニングタイラバ及びレバーブレーキのスピニングタイラバの第一人者として全国各地でタイラバをやってきましたが、スピニングタイラバの特性を理解して、ベイトタックルと使い分けるのが一番良いと実感しています。
基本的にはベイトタックルを使用して、どうしてもポイントに一番最後に入る釣り座の場合等にバーティカルのスピニングタイラバで人が攻めていないコースをトレースするように使い分けるのが釣果アップのコツです。
次回のバーティカルのスピニングタイラバの紹介では、第3のタックルについて紹介します。
これはかなり特殊ですが、もともと私がバーティカルのスピニングタイラバを始めた時のベースとなるタックルを改良したオールラウンドなタックルです。