大知昭 フグの猛攻をかわし56cmキャッチ!
以前に紹介したチヌフカセ釣りの名手・大知昭さんの御荘湾釣行。あの翌日にも大知さんは御荘湾で竿を出し、56cmと52cmの大型チヌを釣り上げていた。
2017年4月24日、大知さんが大島海産の渡船場にやって来たのは午前8時前。いつもは早朝から釣りに出る大知さんだが、御荘湾では7時〜8時頃から出船することもある。
「御荘湾のチヌは昼から夕方にかけてよく釣れます。その時間に集中力が切れないように朝、ゆっくり出ることもあるんですよ。もちろん1日だけの釣りなら早朝から夕方までびっしり釣りますよ!」
※出船時間は船長さんと相談して決定。出船時間が決まっている場合はもちろんそれに合わせて動く。
まずはマキエ作り。20分以上かけてしっかりマキエを作り込む。
「マキエの出来で釣果が大きく変わるから、ここから釣りは始まってるんだよ!」
この日、大知さんはポイント開拓するつもりで2箇所ほどあまり人が入っていないポイントで竿を出したが、全体的に活性が低く思ったほど釣れなかった。そこで前日にシマアジと年無しチヌを釣り上げた「アマゾネス横」に磯替りした。
しかし、期待して入った釣り場で大知さんを待っていたのは、無数とも言えるフグの群れだった。前日もフグは多かったのだが、この日のフグは大知さんがこれまで見たことないほどの数……。
「昨日のエサに集まったのかな?」と大知さんは考えていたが、やがてフグが多い理由が判明した。しばらくして浜の波打ち際でフグが「バシャバシャ」と押し寄せはじめたと思うと、フグが一斉に産卵を始めたのだ。
すぐ近くにいる大知さんを気にすることなく浅場に押し寄せるフグの群れ。やがて産卵が始まると卵と精子で海面が真っ白になったほど。
大知さんも「長く釣りしてるけどあんなのは初めて見た」というほど珍しい光景だった。
珍しいフグの産卵をしばらく見学したあと、御荘湾で一番チヌが釣れる夕方のベストタイムが近づいてきた。御荘湾全体のフグがここに集まっているのでは? というぐらいのフグを見て普通の人ならチヌ釣りをあきらめてしまうところだが、大知さんの辞書に「あきらめ」の文字はない。逆に「ここからが勝負!」と火がついたように集中力が増した。
フグは浅場だけでなく周辺にびっしり集まっていてかわすのは難しいが、沖はやや数が少ない。狙いは沖に決定。
サシエはエサ持ちの良い練りエサ。前日にチヌがヒットした『食い渋りイエロー』は目立ち過ぎてフグに狙われるため、あまり目立たず沈下スピードも速い『高集魚レッド』を中心に使った。「サシエは何種類か持っておくのが大切。1つだとこういう時に対応が難しいよ」と大知さん。
マキエとサシエを同じところに投入すると瞬間的に盗られるため、底層でマキエとサシエが同調するように離して投入。やがて「少しフグが少なくなった」と感じたところでチヌがヒット!
上がってきたのは56cmの大型チヌ! その後、しばらくして52cmのチヌを追加!
無数のフグがいる状況の中でもあきらめずに方法を探って釣り続けることでチヌを釣り上げた大知さんは、「チヌが寄ってくるとあれだけいたフグでも散らすからね。あきらめずに釣っていくことが大事だよ」と笑顔で語ってくれた。
このチヌは撮影後に2匹とも優しくリリース。今度はロクマルになってヒットするかも。
「御荘湾はこれからも大型チヌが釣れますよ。自分は夏にロクマルも釣ってますから! ぜひ釣行してみてください」
6月にも御荘湾釣行を予定している大知さんは最後にこう語ってくれた。
《マップ》
※マップの釣り場の大まかな場所です。釣れたポイントとは異なります。自己責任の元、十分に注意して釣行してください。
《使用タックル》
竿 | 極翔 硬調 黒鯛 1.5号 | シマノ |
リール | BB-X TECHNIUM C3000XG S RIGHT | シマノ |
道糸 | 炎月 G5 1号(PEライン) | シマノ |
ハリス | ファイアブラッドEX FLUORO HARD-TIDE 2.5号 | シマノ |
ウキ | 大知ウキGP 00号 | 工房大知 |
ハリ | 勝負ちぬ ネリエ&コーン 2号 | 金龍鉤 |