濁り特化型 チヌ用配合エサ『チヌパワー激濁り』
2021年春にマルキユーから発売になった『チヌパワー激濁り』を、マルキユーインストラクター・中西毅さんに紹介してもらった。
中西 毅(なかにし つよし)
広島在住のチヌフカセ釣り名手。フカセ釣り普及のため尽力。マルキユーインストラクター、がまかつ・ソルブレフィールドテスター、東レインストラクター
取材日、広島県大竹市沖の阿多田島の南側にある「官舎の下」に釣行した中西さんが用意したバッカンの中に入っていたのは白いマキエ。
いつもは他の配合エサとブレンドすることも多いそうだが、今回は『チヌパワー激濁り』の特徴を分かりやすく解説するため、『チヌパワー激濁り』とオキアミだけを混ぜたマキエを用意してくれた。
「チヌパワー激濁りはオキアミと混ぜるだけでよい仕上がりになるんですよ。この配合エサの特徴は製品名にあるように、濁りを特化させたものです。ただし、濁りが強いということだけでなく、濁りの広がり方に特徴があります。そこに注目してほしいですね」
実際の濁りの広がりを見るために中西さんがマキエを海に投入。
すると表層に白い濁りが広がると同時に、濁りの柱が広がりながら下へと沈んでいった。表層の白い濁りはそのまましばらく残る。たしかに「激」というだけの濁りの強さだ。
海中に広がる濁りについて中西さんが説明してくれた。
「重さの違う濁りの成分が配合されています。上層に広がる軽い濁り、中層に広がるちょっと重い濁り、底にしっかり広がる重い濁りという感じです。そしてそれぞれの濁りに役割があるんですよ」
上層に強い濁りが広がると、潮の流れが見えやすく、マキエの投入点も見失いにくい。また、チヌの警戒心を解く効果が期待できる。
中西「上層、つまりチヌの目線の上が濁っているとチヌが安心して浅ダナへ浮いてきやすいんですよ。これは過去、何度も経験しましたね」
とはいえ、チヌを浮かせるためには上層だけ濁ればいいわけではない。チヌは基本的に底にいる魚なので、まずは底でしっかり効いてチヌを集めないといけない。
そして集まったチヌがマキエが上から沈んでくることを察知できるよう、中層にも濁りが広がることも大切。
中西「下層、中層、上層すべてに効く強い濁りをこの配合エサが実現してくれます。実はこのエサ、濁り特化というテーマでほかのエサと組み合わせる前提で、開発がはじまったそうなんです。でも、比重などのバランスがうまくとれて、結果的に『チヌパワー激濁り』単体でオキアミと混ぜるだけでよいマキエに仕上がる製品になりました」
濁りに集まるチヌの動き
①チヌが濁りに気づく
②底近くの下層でマキエを拾いながら、沈んでくるマキエに気づく
③マキエを求めて中層に浮く
④活性が高まればさらに上へと浮く