編集部が釣りの疑問をフィールドで検証
『飛び出せ ジッケンショー!』
今回のテーマは、、、、、
『ハリはどのくらいの負荷で伸びる?』
釣りをしていてハリ(フック)が伸びてしまった経験はありませんか?
ハリはフトコロまで刺さるとめったに伸びませんが、口の硬い部分に針先だけ掛かった時は伸びやすいと言われます。
では、どのくらいの負荷が掛かったら伸びてしまうのか? チヌ針とグレ針の強度を実験してみました。
※ハリは種類やメーカーによって強度や特性が異なっています。ひとつの目安にしてください。
《実験方法》
試したハリはこの6種類
チヌ針 5号・3号・1号/グレ針 8号・6号・4号
※ハリの大きさは号数で表示(大きいほど太い)されますが、見ての通りチヌ針とグレ針のようにハリの種類によっても太さが全然違います。
手作りの実験具で計測
《注意!》
この方法で実験をしていると伸びたハリが勢い良く飛んできて指を負傷しました。真似をしないで下さい。同様の実験をするなら厚手のグローブやヘルメットなどを着用することをオススメします。
《実験結果》
まずはチヌ針からスタート。
◯チヌ針5号
今回用意したハリの中では一番大きいのがチヌ針5号。ただグレ針と比べると軸が細くて長いためあっさり曲がってしまうとの予想も・・・。
2kgでは何の変化もなく、3kgの負荷を掛けても予想よりも曲がりませんでした。4kgの負荷をかけるとさすがにグニャッと曲がりました。
◯チヌ針3号
50センチクラスの大型チヌを狙う時によく使われるサイズ。果たして強度は?
1.5kgの負荷でも少しだけ曲がってしまいました。2kgではさらに曲がります形を保っていてバレにはつながらない感じ。3kgの負荷では一目で伸びていると分かるぐらいに変形しました。
◯チヌ針1号
20〜35センチのチヌ狙いによく使われるサイズ。
1kgの負荷でもわずかに伸びています。1.5kgの負荷でもすぐにわかるほど伸びてしまいました。2.5kgまで負荷を掛けるとさらに伸びていき、これ以上の負荷は中止しました。
続いてはグレ針の実験。チヌ針と比べると軸が太くて短いため強度がありそうに見えます。
◯グレ針8号
グレ針8号は大型の尾長グレ狙いにも使われるサイズ。尾長グレの強烈な引きにも耐えられるハリの強度は?
2kgの負荷をかけると軸はしなるものの結果はノーダメージ。3kgの負荷では微妙に針先が外に曲がりました。
◯グレ針6号
口太グレ狙いによく使われるサイズ。良型狙いでも使う人が多いので強度は期待できそう。
グレ針8号はビクともしなかった2kgを試すと、針先が少しだけ外に伸びてしまいました。1.5kgの負荷でも新品と比べるとほんのわずか伸びていました。2kgでも気にしなければ気づかないレベルではあります。
◯グレ針4号
アベレージサイズが小さい釣り場や水温が低下して食い渋る時に活躍してくれるサイズ。6号や8号と比べると軸も細く頼りなさそう・・・。
1.5kgの負荷でも伸びているのが一目瞭然。2kgの負荷をかけていくと伸びたのがわかるぐらい。軸が細くて軽量というメリットと引き換えに強度は低下していました。
◯一度伸びたハリは弱くなるの?
一度伸びてしまったハリは弱くなっているので使わない方がいい という話があります。これが本当なのかも実験してみました。
3kgの負荷をかけて伸ばしたチヌ針3号をペンチで戻して、もう一度負荷をかけてどの程度伸びるかを比べてみます。
同じ3kgの負荷をかけたのですが、ペンチで戻したあとのハリの方がより伸びてしまっています。1度伸びたハリの強度は落ちてしまうようです。
《まとめ》
強度の実験では、当たり前ではありますが同じ種類のハリなら号数(サイズ)が小さくなるほど弱くなりました。
また同じような大きさのハリで比べると、グレ針8号よりも軸が細いチヌ針3号の方が大きく伸びています。単純な強度でいうと軸が太い方が強いということになります。
伸びた針をペンチで戻しても強度が落ちるという話も本当でした。せっかくヒットさせた魚をバラして悔しい思いをしないよう、針が伸びたら新しいものに結び直しましょう。
今回の実験では針先を接点に強度を計測しました。しっかりフトコロまで刺さると強度は格段に高くなります。
針先が丸まっていると刺さりが悪くなって伸びる原因になるので、釣っている時にこまめに針先をチェックしましょう。