都心から2時間以内の場所で釣れる超大物イシナギ釣りの魅力について/外房 勝浦沖(千葉県)

釣歴30年、得意なジャンルはキスの投げ釣りと船釣り全般です。特に、最近は全国各地でタイラバで遊んでます。メインフィールドは北部九州及び北海道です。海、淡水問わずいろいろな釣りにチャレンジし、特に、海釣りにおいては北海道のタイラバの普及、レバーブレーキを使用したスピニングタイラバの普及等に力を入れてます。

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イシナギ釣りの概要

毎年5月~7月頃に、主に千葉県の外房、勝浦沖では、深海魚のイシナギが産卵のために、70m前後の瀬周りに乗っこんで来ます。

この釣りは、普段は400~500m程の深海にいる超大型の根魚のイシナギをスルメイカの泳がせで釣る釣りになります。

釣れるサイズは非常に幅広く、5キロ程のものから100キロ超の魚までとなっています。サイズは選べないものの、主に釣れるのは20キロ前後の魚が主流となっています。

たくさん釣れる時の釣果(大きいのは50キロオーバー)
フォークリフトで吊るすサイズも釣れます

イシナギ釣りの流れや釣り方の特徴

この釣りは、外房の勝浦の川津漁港から出港する「基吉丸」さんが詳しく、多くの釣果の実績が挙がっています。神奈川の方でも釣れますが、仕立て船(チャーター船)しか扱っていない所ばかりで乗り合いはあまり主流ではありません。

外房では、大体朝3時半頃に集合。4時に出船し、それからエサとなるスルメイカをまず釣ります。

このエサとなるスルメイカ釣りが重要で、ここで生きたスルメイカが確保できないと、事前に各人で用意した死んだスルメイカ等を使用することになるため、釣果が望めないことも多々あります。

イシナギのエサのスルメイカ
エサのスルメイカ(普段はこれほど釣れません).

エサのスルメイカ釣りについて

外房のこのスルメイカ釣りでは、水中ランプ(常連さんのお勧めは白、私はいつも青を使用)をし、18センチのプラヅノを使用して釣ります。

私は、外道でサバが来るのと、渋い時は直結ではイカが乗らないので、5本のブランコ仕掛けを使っています.

イカ釣り仕掛けについては、スルメイカが釣れないとイシナギ釣りが成立しないので、毎回新品の仕掛けを使います。船長も使い回しの仕掛けでは、イカが釣れないと言っています。それぐらいシビアにイカを釣らないといけません。

このイカ釣りを2時間程やって、朝の7時頃にイシナギのポイントに向かいます。

なお、イシナギの釣りは10時30分までと決まっているため、実質3時間程の釣りになります。

必要なイカの数は大体5~7ハイはあれば良いと思います。少なくとも生き餌を3ハイ確保すれば、高確率でイシナギに出会える可能性があります.

当日釣ったスルメは死んでも、エサとして非常に効果があり、スーパーで買ったエサよりもはるかに釣れます。(イシナギが食って死んだイカもエサとして使え、それで釣果も上がっています。)

イシナギの釣り方について

釣り方については、仕掛けを投入後、底から3~4mのタナをキープし続けるのが大切です。

ここで注意しなければならないのは、1分毎ぐらいの間隔でマメに棚を取らないと根掛かりをすることがあることです。

釣り場は緩やかな起伏がある根で高低差が大体10m程あるので、まめにタナを取らないと、オモリが根にぶつかって竿先に影響が出ているのか、それとも本命が食っているのかがわかりません。
 

タナを取る時は、タックルを手に持ってやる必要はなく、クラッチを切って底に一旦着底させてから、3~4m上げて取るというやり方になります。

 

イシナギのアタリは最初、竿先にわずかな前アタリが出てそれからしばらくして「グイッ」っと竿先が絞り込まれます。それから電動巻き上げをしながらアワセを何回も入れて確実にフッキングさせます。

なお、このアワセをもたついているとバレる原因になりますので注意が必要です。

 

『ウルトラ最強ラークⅡ』を使っていると安全レバーがフロントにあるので、これを前アタリがあった段階で外しておかないと、アワセが遅れる原因となります。

前のレバーが外れていてもこのラークは外れたりしないのでご安心を。

なお、手持ちで誘いをかけると絶対に釣れないので注意が必要です。

 

他の釣りサイトや本等でカンパチのように誘いが重要と書いている船もありますが、これをやると釣れないというやり方だと思っています。

 

ドラグに関しては、最初からフルロックにする必要はなく、糸を強い力で引いて出るぐらい(10キロ程)に設定します。アワセの際には糸が滑って出ながらのアワセにしないような微妙な調整が必要です。

走られて糸が出ていきますが、瀬ずれをすることはなかなかないので、それほど焦ってやり取りをする必要はありません。

大きな獲物でも耐えていると、船長が操船を上手くしてくれて、船底で糸が擦れるなどの不安要因を取り除いてくれます。

54キロのイシナギ

 

電動の巻き上げをHIにしていると、負荷がかかりすぎて、ブレーカーが落ちることがあるので、8割ぐらいの巻き上げ速度にするのが大切です。

モードは掛けるまではスピードモードで、掛けてからパワーモード(楽釣モード)にするのが良いです。

 

取り込みは、大型の場合、数人で引き上げになります。20キロ程のものは船長がギャフで引き揚げてくれます。

釣れたイシナギは船のクーラーに一旦保管され、港で自分のクーラーに入れます。

外房のイシナギ
概ね平均サイズの22キロのイシナギ

イシナギは、肝臓にビタミンAを多く含むので、食べると中毒を起こすので食べてはいけません。(かなり危険)

 

使用するタックル等について

〇竿について

イシナギ釣りの竿について

注意点として、泳がせの竿は250号を乗せてあまり曲がりすぎないものでないとダメです。竿の中にはオモリ負荷250号と書いてあるものの250号を乗せると釣りにならないぐらい曲がるものがあります。

逆に硬すぎる竿は、この釣りはロッドホルダーに固定したままアタリを待つので、うねりがある時に仕掛けが上下しやすく、食いが悪くなることも多いです。

そのため、泳がせ用の短い竿ではなく、1.8m程の少し長めの竿の方が、ミヨシで釣り座を構えることになった場合には釣りやすいです。

しかしながら、長いと少しやり取りの時にリフトし辛くなるので、個人の体型にあったものを選んだ方が良いです。

イカ釣りの竿について

イカ釣りの竿ですが、オモリが150〜180号(200号を使用するとフォールでイカが付きづらいのであまりお勧めしない)を使用するので、やや硬めの竿が最適です。

1.7m程の竿で問題はないのですが、うねりが酷い時などは、私は2m近い竿を使って確実にイカをキャッチできるようにしています。

製品としては、ヤリイカ竿で大丈夫です。なお、イカ専用竿以外を使うとはっきり言って釣れません。

何度も言いますがスルメイカを釣れない人は、イシナギは釣れません。釣れなくても他の人はイカをくれません(それぐらい釣れない。釣れても船中1ハイの時もある)ので、自分で確保しなければボウズになるのはほぼ間違いないです。

 

〇リールについて

泳がせ用のリールについて

リールはダイワの800(750)番サイズ以上、シマノなら6000番サイズ以上となります。ラインはPE10号を使います。

ラインが細いと潮の影響は受けにくいですが、サイズを選べないため掛けた後が不安になります。逆にラインが太いと潮の影響受けすぎて、釣れなくなるので、やはりPE10号が最適となります。

リールのハンドルはお金に余裕があれば交換した方が良いですが、根に走らないのでこの釣りではそこまで必要はないのかなと思います。(純正ハンドルは短いのでやり辛くはありますが)

 

イカ釣り用のリールについて

ダイワなら300番から500番、シマノなら2000~3000番サイズが良いです。

テンションのコントロールができる機能が付いているシマノの方が若干ですが、向いていると思います。

道糸はPE3~4号を使用します。渋い時はPE3号でやりますが、それほど道糸の太さは気にしなくてもいいです。

ロッドホルダーについて

ロッドホルダーは、頑丈な物が必要になります。特に、固定用の足が一つの物(アジや真鯛のコマセ釣りで使うようなもの)では強度的に弱く、イシナギの本アタリで破損したり、クランプが外れたりする可能性があります。

おススメとしては、ラークの『ウルトラ最強ラークⅡ』ですが、これは基本的にウィンチ用になるので、それに準ずるような強度のあるロッドホルダーを使用することが大切です。

ウルトラ最強ラーク
釣り方の様子(ウルトラ最強ラークⅡを使用)

 

タックルの一例

私が使用しているタックルについて紹介します。

【泳がせタックル】

 〇竿:剛樹 スタンディングディープ 195S(状況によりスタンディングバイトMR170を使用)
 〇リール:シマノ 19ビーストマスター6000(19シーボーグ800MJS)
 〇道糸:PE10号500m、リーダー:ナイロン60号
 〇ハリス60号、幹糸60号、親鈎:石鯛鈎20号、孫針:泳がせ鈎30号
 〇オモリ250号

  

【イカ釣り】

【メインタックル
 〇竿:剛樹 スクイッドロゴス155H
 〇リール:ダイワ 16シーボーグ300MJ
 〇道糸:PE3号 400m
 〇プラスッテ18センチ、ブランコ仕掛け、5本針使用
 〇オモリ150~180号

【時化ている時など】
 〇竿:剛樹 スクイッドロゴス190M
 〇リール:ダイワ 19シーボーグ500MJ
 〇道糸:PE4号 500m
 〇プラスッテ18センチ、ブランコ仕掛け、5本針使用
 〇オモリ150~180号

仕掛けについて

市販の仕掛けもありますが、太すぎたり、針がダメなものを使っていたりするので、基本的には船で船長の仕掛けを購入する方が良いです。(市販品の方が値段がかなり高いし、釣れないので)

一応、仕様を書きます。作り方がかなり特殊なので(細部知りたい人は、私の個人サイトを見て下さい。

イシナギ 仕掛け
イシナギの仕掛け(作り方が特殊)

幹糸60号を2.5m、ハリスは60号を3m、捨て糸は14号を10センチ、針は親針が石鯛鈎20号、孫針が泳がせ30号です。

クエ鈎やムツ鈎等のネムリ針を使うと合わせを入れる釣りなので、フッキングせずバレることが多いそうです。

また、市販品は、鈎が大きく、かつハリスが80~100号と極端に太く、潮の影響やエサのイカが弱りやすいです。

当然ながら、仕掛けはスリーブを使っての結節になります。

オモリは250号を使用します。根掛かりが多い釣りなので、最低3つは必要です。

オモリの形状は、スカリーが一番潮の影響などを受けにくいと感じています。(スカリーは潮の影響を受けにくいので、竿先にいらない情報が入らないため)

 

〇結言

イシナギ用の道具とイカ釣り用の道具の2つを揃えないといけないので結構な出費となりますが、レンタルタックルもあり、気軽に挑戦ができます。

しかしながら、ヒットするサイズが選べない釣りで、非常に危険な釣りであることだけはしっかりと認識してください。(糸が太いのでそう簡単に切れないので、根掛かり等で大怪我をする可能性もあります。)

釣れている時は、初挑戦でも釣れるので、ブログ等でタイミングを見て挑戦する方が良いです。

メモリアルフィッシュを釣ることができるので、おススメの釣りの一つです。